「「最強のサービス」の教科書」(はてな年間100冊読書クラブ 56/100)

「最強のサービス」の教科書 (講談社現代新書)

「最強のサービス」の教科書 (講談社現代新書)

  • 目にする機会の少ない、「サービス業」の業務改善プロセス

この本は、傑出した業績をあげている
サービス業の企業に焦点を当て、
「業績アップに繋がる、顧客満足を高める方法」を解説した本ですね。
トヨタ自動車の「かんばん方式」に代表される
「製造業」の業務改善プロセスについては、
既に数多の手法が説かれ、様々な本が出版されている、
という感じです。しかし、有形化がしづらい
「サービス業」の業務改善プロセスについては、
これまで注目を集めることは、
あまり無かったのではないでしょうか。
著名な例としては、「東京ディズニーランド」の
キャストのおもてなしや、「ホテルリッツカールトン」の
クレドに基づくホテル運営あたりくらいではないかと思います。

  • 「加賀屋」でも、削るところは削る

本書に取り上げられている例としては、
顧客に対するおもてなしレベルが高いことで有名な
和倉温泉の「加賀屋」では、
職員が「おもてなし」に注力するため、
「お膳の自動運搬機」を導入するなど、
「お客様に見えない(=顧客満足に繋がらない)」ところで、
業務の簡略化を図ったりしています。
一方、ビジネスホテルの「スーパーホテル」では、
顧客満足の向上を目指して客室は広くするものの、
「出来て当たり前」の顧客満足には繋がらない
現金収受業務などは機械化を図っていますね。
このほか、ロビーに飾る花などをカットするなど、
「こだわりと割り切り」をモットーにしているそうです。
顧客満足を高めつつも、不必要な機能は割り切って
低価格を維持する、という戦略ですね。

  • ポイントは、「顧客満足を上げるサービス」に注力すること

上記にもある通り、サービス業の業務改善事例は
今まであまり知る機会が無かったため、
興味深く読むことが出来ました。
要するに、「顧客満足を上げるサービスが
出来ているか」がポイント、という感じですね。
ロビーに飾る花など、
顧客満足に繋がらないサービス」はカットして、
その分を、低価格を実現するor更なるおもてなしに繋げる、
といった意識が必要のようです。
ホテルの他にも、地域住民に密着を図る
銀行やスーパー、鉄道の例が取り上げられていますね。