「ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件」(はてな年間100冊読書クラブ 17/100)

  • つまり、「売り手側が製品の魅力を確信出来る」ことかな、と。

2011年に話題を集めた、ビジネス本の一冊ですね。
図書館で予約して、借りられるまでに
非常に長い時間がかかりました‥(^^;)
そんな「心待ちにした本」、確かに内容は読み易かったのですが、
特に目新しい内容も、無かったかなという感じです。
少々期待ハズレの心持ちさえ、抱いてしまいました‥
タイトル通り、成功する戦略は、「誰もが面白いと思える、
ストーリーとして、組み立てられている」というのが、
本書の要旨、というところでしょうか。
まぁ、その内容はもっともなところでは有りますね。
「売上・利益確保の至上命令を達成するために、
つじつまあわせのために無理矢理作り上げた」ような
当の社員でさえ「絶対無理」と思っているような
戦略が成功するはずは無いですね。
「思わず人に話したくなるストーリー(=戦略)」というのは、
対象の戦略・製品に、それだけ魅力があると
売り手側が確信している、ということになります。
その製品の魅力が買い手側に伝わって、
結果的に製品が売れる、という段階に行き着くと思いますから。

  • 初心者向けかも、中級者以降には物足りない内容かな‥と

「経営戦略」について、初心者の方にとっては
非常に取っ付き易い、解りやすい本かと思います。
ただ、その手の本を何冊も読んで
学習を深めてきた中級者以降になると、
例えば、本書に「ストーリーとしての競争戦略」が
成功した事例として取り上げられている
パソコンの「デル」や「サウスウエスト航空」の戦略については、
どこかで触れたことがあるのではないでしょうか。
目新しさは感じられないかと思います。
まぁ、日本企業の例として、ガリバーやマブチモーター
取り上げられていて、これらの企業については
戦略論関係の本では、事例として
あまり見かけはしなかったかな、とも思いましたけど。

  • 「ストーリー」とは、「成功させる戦略」のことかな、と。

本書では、「優れた戦略の条件」として、
「ストーリーを成していること」はもちろんのこと、
「成功図を描いて、コンセプトとして落とし込む」
キラーパスを組み込む」といった内容の説明がありますね。
つまり、「優れた発案、アイディア」だけではダメであり、
それをきっちりとした「ストーリー」(=一本の線)として
構築していくことが重要、ということでしょうか。
まぁ、考えてみれば当たり前のことではありますけど。
「ストーリー」とは、「枠組み」という感じかな、と理解しました。
また、「一般的・普遍的な経営戦略論」として仕上がっているため、
「ストーリー」の大元となる、「「優れたアイディア・コンセプト」は、
どうやって生み出すべきか」」という内容については、
触れられてはいないですね‥。
あくまでも、「既に存在するアイディアを、成功路線に乗せる」ための、
シナリオ(ストーリー)の組み立て方の解説、という感じです。