「鉄道の未来学」(はてな年間100冊読書クラブ 12/100)

鉄道の未来学 (角川oneテーマ21)

鉄道の未来学 (角川oneテーマ21)

  • 鉄道の将来像は、競争激化と少子化で厳しい‥?

新幹線や通勤路線など、鉄道の「未来」に焦点をあてて
将来像を予測している本ですね。
例えば、「東海道新幹線は耐用年数が近づいていること」
(そのため、JR東海リニア中央新幹線の建設を急いでいる?)
や、建設中の新幹線(北陸、北海道など)の
路線の概略などが、掲載されていますね。
新幹線が開業すれば、並行在来線の経営が厳しくなること、
また高速道路の整備や格安航空(LCC)などにより、
鉄道の経営環境は、今後もますます厳しくなる見込み、
とのことですね。また、少子化による利用者減の影響も
鉄道経営には影を落とすようです。
阪急と阪神経営統合は、村上ファンドのとばっちりでしたけど、
著者は、今後は大規模な再編もあり得る、と想定していますね。
JRグループの中での再編や、グループを越えた再編など。

  • 治安の悪化で、電車に乗れなくなる‥?

鉄道業界がそのような状況である以上、
積極的な投資は期待できないため
(また、乗客が沢山乗らないと儲からないため)
通勤ラッシュの解消も、期待薄とのことです。
まぁ鉄道会社は、ほぼ全てが内需に頼っていますから、
今後人口減少社会に入る日本では、先行きは厳しいのでしょうね。
そのため、JR各社が海外に対して
新幹線技術の売込みに熱心だったりと、
海外に活路を見出しているのでしょうね。
また、本書では、将来的には
「治安の悪化で、海外(ニューヨークの地下鉄など)のように
電車の利用が困難になる」といった事態が起こったりすると
予想されています。電車の中で居眠りが日常茶飯事の
日本では今のところ考えづらいですが、
そのような状況にならないことを、期待したいですね。