「世界で勝てるデジタル家電 メイドインジャパンとipad、どこが違う?」(はてな年間100冊読書クラブ 58/100)

メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電 (朝日新書)

メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電 (朝日新書)

  • アップル社の「強み」は、操作性やデザイン以外にも‥

本書では、現在iPadなどが絶好調の
アップル社の「強み」を分析している本ですね。
「アップル社の強み」というと、
まず「操作性とデザイン」が思い浮かぶところです。
しかし、本書では、「それ以外にも、製造面で強みがある」
としていますね。「超大量生産によるコストダウンの実現」
という、日本企業のお株を奪うようなことを
アップル社は実現させていた、という感じです。
例えば、組み付けは、ネジを使わず
「プラスチックのはめ込み」とすることによって、
「ネジやドライバーを使わず、効率的に生産出来るようになった」
という感じで、コストを削減しているそうですね。

  • 「修理より交換」することにより、顧客満足度もアップ

また、この変更によって、簡単には修理出来なくなりますが、
「修理には対応せず、新品と交換」する方針のようですね。
新品と交換することによってコストはかさみますが、
「人件費のかかる修理工程のカット」や、
「原価を極限まで下げる大量生産」によって、
アップルはこのビジネスモデルを、成り立たせているそうです。
もちろん、「新品と交換」することによって、
顧客満足度もアップしますね。
なるほど、アップルの「製造業」としての強みが
よく理解出来たという感じです。

あと、EMS(受託生産)世界最大手の、
鴻海精密工業についての記述も興味深かったですね。
アップルをはじめ、任天堂のDSやソニーのPSなどの製品が
この会社で受託生産されているそうです。
大手企業から相次いで受託を獲得していること、
また、任天堂ソニーのような、お互いライバルにあたる
会社の製品もあわせて受注してしまう、というところに、
この会社の実力を、窺い知ることが出来ましたね。