「きみはなぜ働くか 渡邉美樹が贈る88の言葉」(はてな年間100冊読書クラブ 39/100)

きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉

きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉

  • 著者の思いは、熱くて壮大

居酒屋・ワタミグループの総帥が、
グループの店舗で働く社員・アルバイトなどに向けた
ビデオレターの内容を、まとめた本ですね。
いやはや、著者は熱い魂を持った方だな、という感じですね。
著者の思いは、「日本一の居酒屋チェーンになる」といったような
自ら手がける本業に留まるものではありません。
「感謝の心を忘れないこと」や「地球上で一番沢山の
「ありがとう」を集めること」といったような
壮大な理想を掲げていますね。
「どんな人生を歩みたいのか」という観点から
「誠実に生きること」、「夢を追いかけること」といった、
人生の柱(仕事や家庭、健康など)を語る著者は
もはや、企業グループの経営者というよりは、
人生論を語る哲学者的な様相を呈していますね。
従って、この本も、巷に溢れる普通のビジネス本とは、
趣が大きく異なっている、という感じです
「自分がとる行動には、原点があるか?」といった
本書に織り込まれている著者の様々なフレーズは、
心に染み入るものがありますね。

  • もっと早く聞ければ、良かったかな…と思います

大学に入ると、居酒屋チェーンで
バイトをする学生さんは、今でも多いかと思います。
学生のバイトは、私もそうでしたけど(笑)
「お金・お小遣いが欲しい」といったこと位しか
頭に無いのですよね…(笑)そんな学生のバイトさんが、
本書に書かれているような著者のメッセージに
心を動かされて、「人生について」
改めて見直すことが出来たりしたら、
幸せなことだと思います。
私も、本書にあるような著者のメッセージを
学生時代に読んでみたかったですね。
また、ワタミでバイトしたかったですね…(^^;)
当時著者の思いに触れていたら、就職活動への取り組みも、
きっと変わったのではないかと、思います。
もっとも、「ワタミの社員やアルバイトが、
(自分が何度も口にしている)お役様第一の行動が出来ていない」
という事例が、本書の中にも多数登場しています…(^^;)
ワタミでバイトをすると、周りの社員やアルバイトから
著者の企業理念を感じることが出来るかとなると、
必ずしもそうではないようですね…(苦笑)

  • 一見本業とは関係無さそうですが、実は一本筋の通った行動

他人に熱く人生を説くだけではなく、
自らしっかり実行に努めているところが、
著者のすごさでもありますよね。
例えば、お店で出す食材にこだわるため、
有機農業を手がけたり、介護事業に乗り出したりもしています。
また、この本の印税は、カンボジアなどの
学校建設に寄付されるそうですね。
有限実行するその姿勢は、立派だと思います。
介護事業など、本業の居酒屋チェーンとは
相関関係が薄い事業に取り組む著者の行動については、
「ビジネス的にどうなのかな?」と思ったこともありました。
しかし、著者は、そんなビジネス的な視点だけではなく、
ビジネスをはるか超えたもっと壮大な思いを抱いていて、
その思いに基づいた行動だったのですね。
著者の、どこまでも一本筋が通った行動には、感服する思いです。