「NHKスペシャル キム・ジョンウン 北朝鮮 権力の内幕」(5/13・5/16放送分)

NHKが、力を注いで制作していると思われる番組
NHKスペシャル」は、番組制作に時間とお金を
かけていることがうかがえます。その結果として、
見応えのある番組に仕上がることが多いですね。
先週の日曜日に放送された、標題の番組も、
情報が少なく「不気味な国」北朝鮮に迫った、
迫力のあった内容でしたね。民放の「北朝鮮特集」では、
「美女軍団(喜び組)」に焦点をあてたりする、
軟派な内容になりがちですけど、
今回のような番組は、NHKにしか作れなさそうな感じです。
番組内では、「病に倒れた先代・金正日
後継者選びを急いだこと」や、「金正恩の継承決定には、
当初は金正日の妹・ジョンヒが反対し、
それを聞いた正恩が怒って席を立ったこと」といった事実が、
関係者の生々しい証言とともに、明らかになっていましたね。
まだ緊張もあるのかもしれませんが、
陽気そうには見えないジョンウンは
おそらくこのことを根に持ちそうなので(笑)
もし、ジョンウンが権力を完全に把握した日が来たら、
ジョンヒは間違いなく遠ざけられ、最後には消されそうですな…(^^;)
そんな、後継者選びが遅すぎた感のある金正日ですが、
病に倒れる前は、自らの権力の低下を嫌い、
後継者選びを先送りしていたそうですね。

  • 独裁体制に、あちこちでほころびが…

金正日金正恩父子(金日成を含めた、世襲三代)に、
疑いも持たずに忠誠を尽くしていると思われている
北朝鮮の国民達ですが、経済が事実上破綻して
食糧難の状態に陥っている現在の状況下では、
「管理体制」にもほころびが見られるようです。
闇市場では市民が政権を批判し、
国軍は、「撮影料」目当てで、外国のカメラに
機密の筈の軍の内部を撮影させているそうです。
軍からも風紀の乱れが見られるようでは、
体制の崩壊が近いのではないか、と予感させられますね。
金正日は、自らの身を守るために「親衛隊」を結成して、
その「親衛隊」は正恩に引き継がれているようです。
現在のところは、頼り無さげな雰囲気があり
まだまだカリスマ性が見られない金正恩に、
軍部や親衛隊がいつまで大人しく従っているのか、
微妙なところですな。そんな正恩ですが、
周りの説得により髪をしぶしぶ刈り上げて、
自らの姿を祖父・金日成に似せることにより、
祖父のカリスマに頼ろうとしているようです。
そんな、綱渡りのような状態あると思われる北朝鮮は、
まもなく崩壊する可能性が高そうな、そんな気がしてしまいますね…

  • 北朝鮮も、もしかすると今頃は「期待の新興国」になっていた…?

そんな、末期状態にあると思われる北朝鮮ですが、
過去一時期、急速な発展を見せている中国に倣って、
市場経済を導入しようとしたそうですね。
しかし、金一族にとっての精神的支柱である
「革命の聖地」の木が切られて売られた、という事件が発生して、
金正日が激怒し、「資本主義は悪」とみなされ、
「管理・統制」を強める方向へ後戻りしたそうですね。
この事件が起きず、市場経済の導入がそのまま上手く続いていたとしたら、
今頃北朝鮮は、今のミャンマーのような「今後の伸びしろが期待出来る、
期待の新興国」の仲間入りをしていたかもしれないですな…(^^;)