「ユーロ 危機の中の統一通貨」(はてな年間100冊読書クラブ 33/100)

ユーロ――危機の中の統一通貨 (岩波新書)

ユーロ――危機の中の統一通貨 (岩波新書)

  • ユーロの歴史と、現在のユーロ危機について

欧州統一通貨・ユーロに詳しい著者が、
発足からここまでのユーロの歴史と、
現在のユーロ危機について、語った本ですね。
ユーロの歴史と、現在のユーロが置かれた状況について、
著者による詳しい分析がなされています。
やっぱ、今現在発生しているユーロ危機の話題が、
馴染みやすい話題になりますね。
財政破綻したギリシャの、その放任財政っぷりは酷いものですね、
年金の優遇や公務員に対するお手盛りなど、
日本も顔負けの状況ですな…(笑)
そんな呆れた状態のギリシャを、
現在欧州諸国が救済に動いています。
欧州の金庫番・ドイツも、ユーロ安による
輸出メリットの恩恵を受けているため、
ギリシャ支援を容認している、という状況のようですね。
円高に苦しみ、景気の低迷から脱却出来ない日本とは
その点大きな違いがありますね。

  • 危機があっても、ユーロ拡大の流れは止まらず…

また、過去のアジアの通貨危機を引き合いに出して、
自国の通貨が通貨危機にさらされるよりは
「寄らば大樹の陰」という感じで、
欧州各国では、ユーロの導入が進んでいるそうです。
この流れは、ギリシャ財政破綻した現在でも
止まらないそうですね。まぁ確かにユーロは、
ドイツやフランスの後ろ盾がありますからね…
もっとも、ユーロ導入にあたっては、
ドイツとフランスの欧州覇権争いがあったり、
イギリスが加入しなかったりして、
色々揉めた歴史があったな…ということを、
この本を読んで、改めて思い出しました。
硬派な内容に実直に取り組む、真面目なイメージの強い
岩波新書らしい一冊だな、という感じですね。