「山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?JR6社の鉄道ビジネスのカラクリ」(はてな年間100冊読書クラブ 26/100)

山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?

山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?

  • 鉄道マニアよりも一般人を対象に、「JRの経営戦略」を解説

本書は、鉄道マニアでもある経営コンサルタントの著者が、
趣味と仕事を結びつけて、「鉄道ビジネス」を語った本ですね。
鉄道関係の書籍というと、鉄道マニア向けに書かれた
ディープな内容のものが多いですけど(笑)
本書はむしろ一般人を対象にしているかな、という感じですね。
鉄道マニアは、ビジネス方面の知識はあまり無くても、
鉄道会社の経営戦略は、自然に理解出来ていることが
多いですからね(笑)まぁそれがマニアたる所以なのですけど。
鉄道を使ってよく出張をするサラリーマンが、
車内の暇つぶしに読む、というのが一番お薦めな読み方かもしれません。
きっと、本書の理解が進むかなと思います。

  • 鉄道関係のよくある疑問を、データを分析して解説

例えば「山手線と東海道新幹線では
どちらが儲かっているのか?」この質問に対して、
例えば、1日あたりの売上や、1日1キロあたりの売上を比較して
解説を加えて。このあたりのデータの見方や分析方法については、
経営コンサルタントの著者にとってはお手の物、という感じでしょうか。
また、毎日発売直後に売り切れる、
人気列車「トワイライトエクスプレス」のスイートですが、
部屋数が増えない理由として、「利益最大化の面」から、
「スイートは、スペースを広く取るためあまり儲からない。
トワイライトエクスプレス」を豪華列車と
位置づけるための宣伝手段であり、別の部屋のほうが
売上を増やすためには有効」などとしていますね。

  • 「設備投資」、「固定費」など、ビジネス本的な項目が並びますね

その他、「設備投資」の面からは、
「安い車両を使い倒すJR東日本と、
車両を長持ちさせるJR西日本」の経営方針の違い、
「固定費と変動費」の観点から、
「座席を埋めるための割引価格」、
「他者に手数料を支払わないようにするための、
顧客の囲い込み」といった感じで、
様々なJR各社の経営戦略が、解説されていますね。
鉄道好きな私にとっては、趣味の鉄道が
あまりにビジネス的な内容に結び付けられているので、
正直、楽しさが醒めてきます(笑)
鉄道にあまり興味が無いビジネスマンのほうが、
ビジネス本として、興味深く読めそうな内容ですよね‥(^^;)