「年収崩壊 格差時代に生き残るための「お金サバイバル術」」(はてな年間100冊読書クラブ 15/100)
年収崩壊―格差時代に生き残るための「お金サバイバル術」 (角川SSC新書)
- 作者: 森永卓郎
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2007/10
- メディア: 新書
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- 収入が多くなくても、その範囲内で楽しみを見出すこと
「年収300万円時代」でお馴染みの
経済評論家・森永卓郎さんによる、
「年収格差社会」を生き抜いていくための、知恵的な本ですね。
内容を要約すると、「残念ながら、今の格差社会の流れは
今後とも変わらない。しかし、欧州(南欧)の人は、
収入は日本人ほど多くなくても、
長いバカンスを楽しんだりして、人生をエンジョイしている。
日本人もこういったところを見習って、収入が多くなくても、
その範囲内で、自分なりの楽しみを見出そう。」
といった感じの論理展開になっています。
まぁ確かに、収入が少ない状況下で希望を見出すことも
必要ではありますけど、正直後ろ向きな論調は否めないですね。
著者の主張のように暮らす人が増えたら、
日本の国力は、右肩下がりになってしまいそうですね‥(^^;)
- 「上流層」からの、傲慢な見解のような気が、してしまいます…
また、「下流民は、格差はやむを得ないものとして受け止め、
自分の収入の範囲内で楽しめ」という論調であり、
これは「上から目線」な感じがしてしまいますね。
著者の森永氏は、「平日はホテル暮らしをして、
週末は自宅に戻り、コレクター趣味で
集めたグッズを眺める生活」を楽しんでいるようです。
このような、「年収300万」に該当しない「上流階層」の著者が、
「年収300万」の下流層に向かって、「上昇志向を持たず、
収入の範囲内で楽しみを見つけるが良い」
と言うのは、ある意味傲慢な発言ですよね。
また、「下流層は下流層のまま、
現状に不満を抱かずに留まってくれるのがベスト。
そうしないと、「上流階層」の自分達の生活が脅かされる。」
といったような、著者の思惑も伺えてしまいます。
そんな感想を抱いてしまったので、
正直なところ、本書の読後の納得感は、もう一つでしたね。