「子供をふつうに育てたい」(はてな年間100冊読書クラブ 2/100)

子供をふつうに育てたい (ちくま新書)

子供をふつうに育てたい (ちくま新書)

  • 閉塞感漂う時代の、「子育て」のありかたとは

日本は景気の低迷が続き、雇用関係も
非正規社員等の流動化・低賃金化が進んでいますね。
そんな閉塞感が漂う社会の元では、
「普通に子育て」をしているだけでは、
子供は「普通」の生活が出来なくなってしまう、
そんな可能性が高くなっています。
この本では、上記にあるような、
現代の「子育て」に焦点をあてた本ですね。
もっとも、一人一人の子供は違いますから、
「子育て」に唯一解はありません。
従って、本書でも「解答」が示されているわけではなく、
主に現代の子育てに関する状況が、説明されていますね。

  • ほんの少しの、親子関係のゆがみが‥

最近よく知られるようになった、「子供の出来は、
親の収入に比例する傾向がある」といった「格差」の問題や、
親が子を「虐待」する問題などが、取り上げられていますね。
奈良県で起きた、子供が家族を殺した事件を、
「親が子供を追い詰めすぎた結果」と分析したりしていますね。
親としては、子供のためを思って厳しくあたったのでしょうけど、
ちょっと厳しすぎた‥といった感じのようです。
著者によると、親殺しや子殺しは、
「ほんの少しの親子関係のゆがみが原因」、だとしていますね。
このあたりのさじ加減が、子育てをするにあたって
難しいところなのだろうな‥と思います。
子育ては、子が親に一方的に育てられるだけではなく、
親としても、日々悩みながら、子育てのやり方を
学んでいくということなのでしょうね。
子を持つ親なら、読んでみても良い本かな、と思いました。