「呉越春秋 湖底の城 1巻」(はてな年間100冊読書クラブ 98/100)

呉越春秋 湖底の城 第一巻

呉越春秋 湖底の城 第一巻

宮城谷昌光さんの、中国物小説を読むのは、
なんだか久しぶりですね。小説の世界に引き込まれるような
その筆致が好きで、私はよく読んでいます。
今回の舞台は春秋時代の呉越、主人公は伍子胥のようですね。
ただ、伍子胥だと、最後はハッピーエンドとはならないだけに、
あまりに登場人物に思い入れをし過ぎると、
最後まで読み通した時の読後感が
しんどくなってしまうのではないかな‥と思ったりもしていました。
とはいえ、主人公の周りに様々な個性的な人物が集まって
物語が進行していく宮城谷さんの作風は、
昔と変わっておらず、読んでいて少々安心感を覚えたりもしました‥(^^;)

  • まだ序盤、伍子胥も今のところは爽やかな青年(笑)

今回の第1巻目はまだ序盤、という感じですね。
主人公の伍子胥は、まだ激烈な性格は見せておらず、
父や兄を尊敬している
「非常に爽やかな青年」、という感じですね(笑)
性格が変わるのは、父と兄が殺された後でしょうか。
ただ、伍子胥は、「家督を継がない次男」ということで、
父から兄には伝えられている戦の様子を
自分は知らないことに気づかされたりして、
自らの進むべき道を探している途中、といった感じでしょうか。
武の心得のある家臣を雇おうと「武術大会」を開催したら、
謀反の嫌疑をかけられてピンチ‥といった場面もありましたね。
この他、兵法家として有名な孫武が登場する場面では、
歴史好きなら思わずニヤッとしてしまうところですけど、
ただ、記述が少々冗長に思えてしまったりもしました。
今後の展開が楽しみではありますけど、
月刊の雑誌に連載されているものの単行本化、
という形式のようなので、続きを単行本で読めるのは
1年に1回のペースになりそうですね。
はぅ〜気の長い展開になりそうです‥(^^;)