「お坊さんが隠すお寺の話」(はてな年間100冊読書クラブ 95/100)

お坊さんが隠すお寺の話 (新潮新書)

お坊さんが隠すお寺の話 (新潮新書)

  • 住職がいないお寺が増え、檀家・檀家寺制が崩壊

現在のお寺が置かれている状況を、解説した本ですね。
全国にあるお寺の数は、コンビニよりも多く!
7万ほどもあると言われています。
しかし、後継難などにより、1万以上のお寺に
現在住職がいない状況とのことですね。
日本人の信仰心も薄れる傾向にあり、
江戸時代からお寺と庶民を結び付けていた、
檀家・檀家寺制が崩壊しつつありますね。
本書にある通り、庶民にとっては、
お寺は「葬式の時のみ、関わるもの」
といった意識が中心になっているものと思います。
そして、一般庶民とお寺の唯一の接点である
お葬式の場には、葬儀業者が幅をきかせるようになっており、
葬儀会社に雇われているような形の僧侶も
最近は増えているようですね。

  • 高額なお布施や戒名代は、本山に吸い上げられて‥

また、寺側の問題点も、取り上げられていますね。
中にはやはり、高額のお布施や戒名代をを取るお寺も
残念ながらまだまだ健在であり、
庶民のお寺離れに拍車をかけているようですね。
もっとも、頂いた高額なお布施や戒名代で
自分の懐を肥やせるケースは少なく(^^;)
本山への上納金に、吸い取られているようですね。
確かに、京都にある浄土真宗の本山、
東本願寺西本願寺とか、めちゃ境内大きいですからね。
あれを維持するのは、さぞお金がかかるだろうなぁ
‥と思ってしまいます‥(^^;)
確か、両本願寺とも普通の拝観は無料ですから
拝観料収入も見込めないですからね。

  • 新興宗教も既存宗教も、頂点が搾取するのは同じ‥

ただ、そんな本山を頂点とするピラミッド制度も、
上記の通り、住職のいないお寺の増加により
変革を余儀なくされるのではないかと思われますね。
でも、このパターン(末寺がお布施を集めて、本山に上納)は、
新興宗教お得意の金儲けパターンかと思っていましたけど、
昔からの宗教も、変わらないのですね…(^^;)
やっぱどこでも、組織が出来ると、上層部は下層部から富を吸い上げ、
下層部はあくせく働かなければならないのですな‥(^^;)