「日本辺境論」(はてな年間100冊読書クラブ 89/100)

日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)

  • 辺境人である日本人には、お手本が必要

本書は、少し前に話題になりましたね。
話題になっていたこともあり、興味深く読み始めました。
内容としては、辺境人である日本人は、常に
お手本たる「世界の中心」(昔は中国、今はアメリカ)を
必要とする民であるとのことです。従って
中心を真似ることは得意であるけれど、
自ら世界を先導するような気概は無い、
という感じの展開になっていますね。内容としては、
それほど目新しい内容は無いような気もします。
個人的には、ベストセラーになるほどの
内容では無いかな?と思ってしまったりして…(笑)

  • 他に「辺境」の例があれば…

内容は日本人論ではありますが、
テーマは武士道から憲法9条、マンガまで幅広いですな。
幅広い分野に渡っているだけあって、
著者独特の論述が、展開していきますね。
このあたりは、好き嫌いが出そうですね。
実は私も、少し拒否反応が出てしまいました…(笑)
そんなこともあり「万人向けの本では無いかな」とも思います。
また、「辺境」に焦点をあてるのであれば、
日本以外の例を取り上げて欲しかったですね。
そうすれば、本書の主な内容である「辺境論」が、
もっと説得力に増したものと思います。
「日本は、お手本を真似るのは得意」、
というのは、高度成長を成し遂げた要因として
よく知られている理論ですからね。
「辺境だから、お手本を真似る」という展開は、
少し苦しい気がしてしまいます。