「生物多様性とは何か」(はてな年間100冊読書クラブ 82/100)

生物多様性とは何か (岩波新書)

生物多様性とは何か (岩波新書)

最近よく耳にするようになった言葉「生物多様性」、
本書は、その内容について解りやすく説明していますね。
「そっか、生物多様性というのは生物の種の多様性であり、
増え続ける地球上の人間による、自然環境の破壊に伴って、
生物が絶滅したり、あるいは絶滅の危機に瀕したりしていることが
生物多様性の課題なんだな」ということが、理解出来ました。
生物多様性」とは、生物学者だけが関わるような
難しい理論では、決して無いのですね。
環境問題や二酸化炭素(CO2)削減問題と同じような、
全ての人類にとって身近な課題、ということになりますね。

この本では、そんな「生物多様性」についての前提を説明して、
例えば、東南アジア諸国などで行われている
焼畑農業えびの養殖などの人類の行為が、
生物多様性を脅かしていること、
そして、現在、生物多様性が脅かされつつある
「世界のホットスポット」のレポートなどの内容がありますね。
環境問題でも同じような事象が発生していますが、
発展途上国にとっては、生物多様性の保護よりも、
経済の発展が優先課題になってしまっているのが、現状なのですね。
目先の魚の乱獲が、生物の種や数の減少を招いて、
その結果として、経済にもマイナスの影響を
与えている事実もありますね。
我々人類は、他の生物との共生、そして地球環境との共生を
もっと心掛けていく必要があるものと、実感しました。