「ケース・スタディ日本企業事例集」(はてな年間100冊読書クラブ 79/100)
ケース・スタディ 日本企業事例集―世界のビジネス・スクールで採用されている
- 作者: ハーバード・ビジネス・スクール,日本リサーチ・センター
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/06/04
- メディア: 単行本
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- 日本企業の戦略や決断の成功例は、心強く思えますね
天下の(笑)ハーバード・ビジネス・スクールで
教材として使われている、日本企業の「戦略と決断」の事例集ですね。
バブル経済の崩壊からなかなか立ち直れない日本経済とともに
日本企業も、最近は元気を無くしてしまっている感があります。
そんな状況において、日本企業がビジネススクールの事例集として
取り上げられることがあまり想像出来なかっただけに(^^;)
こうして、日本企業の戦略や決断の成功例が
取り上げられているのを見るのは、嬉しく、また心強く思えますね。
その、本書で取り上げられている企業は、
松下電器産業や日産自動車など、お馴染みの企業が多いですね。
日産の戦略は、カルロス・ゴーンさんの
「日産リバイバルプラン」で割と著名かと思います。
その日産の場合は、本書によると「リバイバルプラン」を策定して
実行に移すという、リーダーとしての決断力が重要。ということでしょうか。
- アニメのプロダクションが取り上げられているのは、面白いですね
面白いのは、名だたる有名企業に混じって、
アニメのプロダクション(アイジー)が
取り上げられているところですね。
ビジネス本によく目を通すビジネスマンでも、
「アニメのプロダクションのケーススタディ」、というのは
なかなか見かけたことが無いのではないでしょうか?
アニメは、配給側が著作権を握っており、その作品が売れても、
制作側にはお金がいかない仕組みになっていましたが
(製作者の薄給は、割と知られた事実ですよね)
アイジーは、そういった風潮に風穴を開けようとしていたそうです。
- コア事業消滅の危機にあった、富士フィルム
その他の例としては、フィルムカメラから
デジタルカメラへの移行で
コア事業のフィルム事業が急降下する中で、
保持していた自社の技術力(強み)を生かして、
化粧品や液晶ディスプレイ(の膜)に
幅を広げてきた富士フィルム、などの例がありますね。
確かに、フィルムカメラからデジタルカメラへの移行は
街角のカメラ屋さんと同じように
フィルムのトップメーカーである富士フィルムも
潰れてもおかしくはない、大転機でしたね。
ネット社会の事例として、
楽天やNTTドコモ(おサイフケータイ)も、取り上げられていましたね。
楽天は、銀行や宿泊予約など、
買収などにより規模は急拡大していますが、
その企業理念(楽天市場のお店の質と量を高め、
多くのユーザーを引きつけていくこと)は
創業時から変わっていないことが、うかがえますね。
ドコモの場合は、クレジットカードとの差別化などに
悩んだ形跡がうかがえますね。
そして、企業家の例として、稲盛和夫氏が取り上げられています。
京セラとKDDI、2つの企業の立ち上げに成功したことと、
稲盛氏の経営哲学でもある「フィロソフィ」について
解説されていますね。仏教的な思想を根幹にしている
稲盛氏の経営哲学は、まさに日本式経営の代表例、なのでしょうね。