「ルリボシカミキリの青」(はてな年間100冊読書クラブ 75/100)

ルリボシカミキリの青

ルリボシカミキリの青

  • 科学分野を中心とした、幅広い分野のエッセイ

この本は、ベストセラー「生物と無生物のあいだ」の
著者である福岡伸一さんの、
雑誌に掲載されたエッセイを単行本にしたものですね。
エッセイの内容は、著者の専門分野である
科学を中心に、様々なジャンルに渡っています。
とはいっても、小難しい内容ではなく、
学生さんなど、誰にでも読める内容に仕上がっていますね。
例えば、子供時代に昆虫採集に励んだ話とか
(その時に著者が魅せられたのが、
本書のタイトルになっている、「ルリボシカミキリの青」ですね。)
科学以外でも、人気作家・村上春樹さんの「1Q84」に
関する話題も取り上げられていたりして、幅が広いですね。

  • 自ら「ハカセ」と自称するのは、いかがなものかと

文系人間の私にとっては、科学の分野は縁遠いこともあり、
なかなか楽しめた内容に仕上がっていました。
しかし、一つ気になったところとして、
著者が自分の呼称として、「福岡ハカセ」と書いているところですね。
自分で「ハカセ」と自称している表現は、
個人的には少々鼻についてしまいました。
このエッセイが、「教育論」を意識している、
といった内容の記述もあり、教育的な面から、
ハカセ」と自認しているのかも、しれないですけど。
まぁ、私は「ルリボシカミキリの青」に魅せられることは
多分無いと思われるので(笑)、そういった著者との感覚の違いが、
本書を読んでいて、多少引っかかりを覚えたのかもしれないですね。
そんな「福岡ハカセ」は、「センス・オブ・ワンダー」という、
不思議と思われることを、重視しているようですね。
こういったところは、やっぱ科学者だな、という感はありますね。