「偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する」(はてな年間100冊読書クラブ 74/100)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

著者は、現在盛んに推奨されているエコロジー活動について、
その活動による効果に疑問を呈していますね。
また、エコ活動に名を借りたお金儲けや、
税金の無駄遣いになる行動を、批判しています。
「レジ袋を止める運動は、エコバック製造業者の利権が絡んでいる」
「消費者からリサイクル料を取っているリサイクル家電は、
リサイクルされずに、違法に中古市場に出回っている」等、
エコロジー活動の真相や実態を、暴露していますね。
エコロジー活動は、実は環境保全にはあまり役立っていない」
という程度ならともかく、「エコロジー活動によって、
不当に儲けている企業がある」、「国や自治体も利権を確保している」
といった事実が解ると、腹立ちを覚えてしまいますね。
もともとは、純粋に「地球環境を守る」ところから
始まったのでしょうけど、いつのまにか
利権に群がる輩が押し寄せてきてしまったでしょうね。

  • 科学的な効果など、把握が難しいのも要因かも…

「リサイクル」、「環境」というと、
「地球を守る良い行動」というのが一般的な認識であり、
なかなか批判しづらい雰囲気は、残っていますね。
そんな中で、批判の声をあげる著者の心意気は、すごいと思います。
リサイクル活動に費やされるコストが、
再生のメリットを上回ったりすることなど、
リサイクル活動にどこまで取り組めば良いのか、
我々一般人には、活動による効果が、解りづらいですよね。
また、例えば企業では、「地球を守る、二酸化炭素の排出を減らす」
という言葉の前面に出して、「冷房の温度は28度に設定」、
「こまめな消灯」といった活動を推進していますが、
企業の経費削減が本当の目的だったり、していますよね。
これなどはまさに「偽善エコロジー」活動だと思っています。
(この本にも、「冷房の温度を28度に設定しても、
地球温暖化は止められない」という内容の記事が、ありましたね。)