「節約の王道」(はてな年間100冊読書クラブ 59/100)

節約の王道 日経プレミアシリーズ

節約の王道 日経プレミアシリーズ

  • 著者の人生観に基づく、「節約観」

本の内容自体はともかくとして、
「タイトルに偽りあり」という感が、否めない本ですね。
「節約の王道」とありますが、著者・林望さんの、
自らの人生観に基づいた「節約観」となっています。
従って、その「節約観」が広く一般的に
あてはまるor使えるかとなると、答えはNoなのかな、
という感じがしました。
例えば、著者は(著名な)大学教授ということで、
「比較的マイペースで仕事が出来る職業」であり、
普通のサラリーマンのように、同僚との付き合いに
こだわる必要がありません。そのため、
「居酒屋で健康に悪いものを食べる羽目になるため、
飲み会には参加しない」といった感じの
一般人にとっては、極論とも思われるような
節約の項目が並んでいますね。
また、「虚礼にお金を費やさない」という項目では、
友人にはプレゼントはしない、といった
内容もあげられています。
著者の提言をそのまま実行すると、
友達を無くしそうですね…(笑)

  • ヨーロッパ往復航空券をゲット出来る人が、「節約」について語るのは‥

まぁ、上記の付き合いの点については、
一つの節約案として割り切ることも出来そうです。
また、著者は、「買い物はJALカードに集中させている」と
書いています。ここまでなら、ポイント等を
一枚のカードにまとめるということで、
ポイントの無駄を省くことにも繋がると思います。
しかし、「ヨーロッパを何度も往復できる」ほど
マイルを貯めているとなると、
少々話は違ってきますよね。
マイルでヨーロッパを往復できるほど消費をしている人が、
「節約」について語るというのは、いかがなものかと。
また、この点も著者の人生観に関わるところなのですが、
本書内で、やたらとイギリスを礼賛していますね。
日本人の価値観、イギリス人の価値観、
それぞれ色々あるかとは思います。
しかし、一概にイギリスを礼賛されても、
イギリスに詳しくない読者にとっては、
読んでいて、納得はし辛いのでは無いでしょうか‥