「ネコ型社員の時代 自己実現幻想を超えて」(はてな年間100冊読書クラブ 55/100)

ネコ型社員の時代―自己実現幻想を超えて (新潮新書)

ネコ型社員の時代―自己実現幻想を超えて (新潮新書)

  • 会社に忠誠を誓うのではなく、どこか醒めた目で‥

「ネコ型社員」とは、著者の造語ですね。
嘗ての、会社や上司に忠誠を誓う「イヌ型社員」に代わる、
新しい属性を持った社員、といった感じでしょうか。
(ちなみに、「イヌ型社員」という言葉は、
本書内には出て来ないですね。)
「モーレツに働くのではなく、一歩醒めた目で会社を見ている」
「自分のスキルアップには熱心」といった内容など、
私自身も本書の「ネコ型社員」に該当するのかな、
なんて思ったりしていました‥(笑)
まぁ、内容的には、現代サラリーマンの気質を
解説した本、という感じでしょうか。
上記の項目があてはまるような、
「ネコ型社員」または「ネコ型社員予備軍」の方々なら
楽しく、時には苦笑しつつ、読めるのではないでしょうか。

  • 会社が置かれた状況が変化して、ネコ型社員が増加した‥?

イヌ型社員からネコ型社員に代わった理由として、
会社が置かれた状況の変化、というのも大きいでしょうね。
日本の会社の特徴であった、「年功序列&終身雇用制」全盛期は、
長く勤めることにより、昇進して賃金がアップしていきます。
このため、「イヌ型社員」として、
会社に忠誠を尽くす社員が、多かったのでしょうね。
しかし最近は、「年功序列&終身雇用制」が崩壊し、
賃金の据置や、派遣社員の増加など、
従業員にとって、就業環境は厳しくなっています。
そのため、会社に忠誠を尽くす社員が減り、
ドライに会社を見つめる「ネコ型社員」が
増加したのではないでしょうか。