「劇場政治の誤算」(はてな年間100冊読書クラブ 43/100)

  • 小泉政権を批判していますが…今のスタンスは、きっと違いますよね…(^^;)

自民党幹事長の、加藤紘一さんの著書ですね。
政権交代前の発刊のため、内容的には
小泉純一郎首相・竹中平蔵大臣時代の政策を
批判するような内容になっています。
タイトルの「劇場政治」とは、小泉政権のことを指していますね。
当時の麻生太郎首相が「実は郵政民営化には反対だった」
と発言するなど、自民党内でも小泉政権の見直し機運がありました。
その風潮に乗って書かれた本、という感じですね。
まぁ、政権交代して自民党が下野した現在では、
加藤氏も身内の批判よりは民主党への批判に
論調も大きく変化していそうですよね…(^^;)
先日も、加藤さんが鳩山政権を批判している様子が、
テレビに出ていましたね。

  • 結局は、自分の選挙区へ予算を持ってくる、利益誘導?

ただ、自民党の議員である著者が、小泉さんを批判すると
その理想は「昔の、田中角栄元首相に代表される
利権誘導政治時代の自民党」なのですよね。
「予算を、自分の選挙区へ持ってくることの出来る
政治家が歓迎された時代」この本を読んでいると、
そんなことを思い出してしまいます…
第5章の「地域から経済をよみがえらせる」の章に
「公共事業は否定しない」とか、あったりしますからね。
自分が都会育ちのためか、
都会から田舎への資源の再配分については、
「熊が走る高速道路」などの、「不要なハコモノ作り」が
多い感がしており、それはそれでどうなのかと思ってしまいます…
著者の加藤さんの政治生命は、
あの「加藤の乱」で終わった感がありますけど、
その時で終わっている、古い政治家だなぁ…といった感は
やっぱ否めないな、と思ってしまいますね。