「わが経営に定式なし イノベーションを貫いた経営者の実像」(はてな年間100冊読書クラブ 39/100)

三井住友海上火災のトップを務めた、
徳増須磨夫さんの伝記、ですね。
ただ、私はこの方のことは、全く知らなかったです(笑)
また、本著の著者は、特定の人物ではなく
三井住友海上火災保険(株)編」となっていました。
そのため、「会社がPRのために出版した本かな」、という感じで
正直あまり期待せずに(笑)読み進めてみました。
この本を手に取った理由としては、
私が勤めている会社では、最近「イノベーション経営」
ということが、盛んに叫ばれています(笑)
会社というものは、最近はやりのビジネス理論に
すぐ飛びつきがちですよね…(笑)
この本には、「イノベーション」という言葉が、
タイトルに入っていることもあり、
思わず手に取ってみた、という感じです。
まぁ、「タイトルにキャッチされた」というところで、
この本のマーケッターの思惑に、見事に乗ってしまった、
という感もあります。そこは少々癪なのですが…(^^;)

  • 業績面、文化面で貢献し、社員の意識改革を進めて…

本書によると、徳増さんは
営業力を強化し、女性を登用するなどの
積極的な経営を進めて、住友海上火災保険を、
業界5位から3位に引き上げたようです。
その様子は、「上位の会社を追いつけ追い越せ」といった感じで、
業界シェア下位の企業の、そのモーレツぶりが
窺えてしまったりもしますね…(^^;)
イノベーション経営の面では、
プラス思考の必要性や、損害保険という商品の位置づけ、
情報力や創造力、人間の魅力といった「人間力を強化する」などの、
「社員の意識改革」を進めた様子が、描かれています。
そして最後、文化面での貢献ということで、
女子柔道部の創設(オリンピック金メダリストの
上野雅恵選手などが、三井住友海上所属ですね)
そして、名古屋にあるクラシックのホール
「しらかわホール」を開設したことについて、触れられています。
そっか、本書に取り上げられている徳増さんは、
「しらかわホール」を開設された方だったんですね。
私も時々「しらかわホール」に行く機会はあるのですが、
名古屋に特別ゆかりの無い、三井住友海上と徳増さんが
クラシックホールを開設してくれたことには、
地元民として、感謝したいと思います。