「あ〜ぁ、楽天イーグルス」(はてな年間100冊読書クラブ 29/100)

  • 理不尽な解任により、ボヤキ度UP(笑)

一昨年まで楽天イーグルスの監督を務めた、
野村克也さんの著書ですね。
一昨年は球団創設以来初の2位に浮上し、
クライマックスシリーズにも進出した楽天イーグルスですが、
高年俸等が要因で、野村監督が事実上解任されてしまったことは
プロ野球ファンであれば、まだ記憶に新しいところかと思います。
そんな背景があるため、もともとボヤキが特徴のノムさんですが、
本書では、普段よりもボヤキ度が増している、という感じですね(笑)
解任騒動中のクライマックスシリーズ、第2ステージの第1戦で
楽天は「逆転サヨナラ満塁ホームラン」で敗れ、
この敗戦が尾を引き、結果的に日本シリーズ進出を逃しています。
そんなこともあって、監督解任騒動についての記載は
一層ボヤキに拍車がかかっている、という印象を受けますね…(^^;)

  • 今回は、既出の内容は割と少なかったですね

野村さんの著書を何冊も読んでいると、
同じ内容を繰り返しているところが多いことに、気づかされます。
この本でも、「理想的なヤクルトと、どうしようもない阪神
といった、野村さんの著書で何度となく読んだ(笑)
リピート的な内容はあります。
しかし、基本的には楽天監督就任後の、初出の内容が多く、
ここ最近の野村さんの著書よりは、楽しめましたね。
補強の希望を適えてくれない上に、役立たずの外人投手を取った
楽天フロントへの苦言や恨み言(笑)、
岩隈久志投手や田中将大投手、山崎武司選手など、
現在の楽天の中心選手との関わりなど、
楽天監督時代の振り返りは、なかなか面白かったですね。
昔の人らしく、小言等が多く細かい野村監督ですが、
オリックスとの分配ドラフトの結果、
強いプライドを持つ一流選手が少なかったため、
比較的選手達の間に、ノムラの教えが素直に受け入れられた。」
といった感じでしょうか。弱かった楽天監督を引き受けたことは
一見「貧乏くじ」だったかもしれませんが、
結果的には野村さん向きだった、ということでしょうね。

  • 「野村のDNA」は、自慢話になっているのでは…

ただ、一つ気になったところとしては、
最終章の「野村のDNA」ですね。
ヤクルト監督時代の教え子を中心に、
ノムラの教えを受け入れた選手・コーチが、
ずらりと羅列されているのですが(笑)
ここは一種の自慢話のように、見えてしまいました。
他人が書くのならともかく、自分自身でこの内容を書くと
自画自賛しているように思えてしまいます。
まぁ、「自らの教えを受け継ぐ、忠実な弟子」的な内容で、
けなされたりしている訳ではないため、
取り上げられた選手・コーチ達が憤るとか、
そういうことはないでしょうけど。