「信念を貫く」(はてな年間100冊読書クラブ 20/100)

信念を貫く (新潮新書)

信念を貫く (新潮新書)

今年はヤンキースからエンゼルスに移籍した、
大リーガー・松井秀喜選手の2作目の著書ですね。
発刊されてまだ間もないため、
昨年のワールドシリーズMVPの活躍から、
エンゼルスへの移籍を決断するまでの
松井選手自身の気持ちが、率直に綴られていますね。
以前の著作「不動心」もそうでしたけど、
松井選手は本当に何事にも真面目で一生懸命なことが、
本を読んできて伝わってきます。
松井選手の本を読むと、誰もが松井選手のことを
好きになるのではないか、という感じがしますね。

松井選手がヤンキースからの移籍を決断した理由として、
ヤンキースではDH専念の起用になるが、
エンゼルスでは守備の機会が貰える」ことが
一番の要因だと言われていますね。
「DH(指名打者)は、守備につかなくても良いので、
年を取ると体力的に楽が出来るのではないか」
なんて簡単に思っていましたけど(^^;)、
守備につかないことによるリズムの狂いが、
松井選手には影響が大きかったようですね。
幼少の頃から野球を続けていると、
打者は守備につくのが当たり前になっているため、
守備につかないDHという環境に慣れるのが
難しいのかもしれません…
松井選手がヤンキースで「DHに専念」することになった
理由が怪我ですが、本書では松井選手流の
怪我との付き合い方も書かれていますね。
怪我が完治していなくても、チームを最優先して、
出来る限り出場するのが、松井選手のスタンスのようです。
FA権利を行使できるような、一流プレイヤーであれば、
「自分の体調こそが大事」という感がありますけど、
松井選手は、チームやファンのことを考えて、
試合に出場するように、心掛けているようですね。

  • 一流の選手・監督は、人間としても一流

あと、この本で印象に残ったこととして、
ヤンキースの同僚・ジーター選手や
トーリ監督について触れている箇所でしたね。
ジーター選手は、ヤンキースに移籍した松井選手に
積極的に声をかけるなどして、
松井選手がチームに馴染めるようにしてくれたようです。
また、トーリ監督も、松井選手に対して、
色々と気配りを欠かさなかったようですね。
日本(アジア)から来た松井選手に対して、
偏見とかライバル視など、ありそうな気がするのですが
一流の選手や監督は、人間としても一流なのだなと
実感しました。心温まるエピソードですね。