「私にもできた人生二度の株式公開 チャンスはあなたの中にある」(はてな年間100冊読書クラブ 16/100)

  • こちらの著書は、流通業界に触れた内容が多かったですね

先日書いた「考えることで人生は変えられる」と同じ
清水三夫さんの著書ですね。そのため、内容的には
著者の一代記など、オーバーラップする点も多かったです。
ただ、こちらの本は、著者が活躍していた
流通業界にまつわる内容が、多かったですね。
業界の方にとっては、必読の内容かもしれません。
著者が立ち上げたスーパー「ライフ」は、
新店舗を出店しても、その新店舗が順調に立ち上がるのではなく、
むしろどの新店舗も最初は上手くいかず、
新鮮な食品を仕入れたりするなどの、対応に追われたそうですね。
著者が商店街をライバル扱いして、
商店街に対抗する策を必死に考えていたりするところを見ると、
商店街の店主が、スーパーの出店に反対するのも
解るような気がします…(^^;)
食品という同じアイテムを扱っている限り、
商店街とスーパーの、共存共栄はあり得ないですよね…(笑)

  • 拡大進撃も、借金が重荷になってしまった「ダイエー

また、スーパー業界に大きな功績を残した、
ダイエー創業者の中内功さん、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さん、
ジャスコ(イオン)創業者の岡田卓也さんの
創業者としてのスタンスの違いにも、触れていたりもします。
中内さんは「ボリュームパワーで大量仕入れを行い、
消費者に安いモノを提供する」という自らの理念の元で、
ひたすらに出店の拡大を続けたようです。
しかし、自らの経営哲学を正しいと確信し続けたため、
周りにはイエスマンしかいなくなってしまい、
歯止めが利きませんでした。
また、拡大戦略に伴う借金による資金調達が重荷になってしまい、
遂に、ダイエーの命運は尽きてしまいましたね。

  • 堅実な伊藤さん、時代の読みが鋭かった岡田さん

反対に、伊藤さんは、資金的には堅実経営を心掛け、
鈴木敏文さん(セブンイレブンを立ち上げた)といった、
自らとは異なる才能を持った人材を登用出来たことが、
成功の要因だったようです。
岡田さんは、「ショッピングセンターの時代が来る」という
時代の読みが、鋭かったようですね。
小売のスーパーよりも、デベロッパー業に主軸を移し、
テナント収入で稼ぐビジネスモデルを確立したことが
成功の要因とのことです。イオングループは、
今ではイトーヨーカ堂(グループ)を抜いて、
スーパー業界のトップに立ちましたね。
こういった、スーパー創業者の経営手腕分析は、
業界人ならではの鋭い分析という感じで
興味のある内容でしたね。
各創業者のカリスマぶりが、うかがえたりしました。
会社を興して、発展させていく人はやっぱ違うな〜
という感じですね…(^^;)