「経営戦略の思考法 時間展開・相互作用・ダイナミクス」(はてな年間100冊読書クラブ 107/100)

経営戦略の思考法

経営戦略の思考法

  • 以前の著書が面白かった著者なので‥

私が以前受講した、経営戦略関係の社外講習の場で、
本書の著者・沼上幹さんが書いた本、
組織戦略の考え方」を推薦されました。
その本が結構面白かったこともあって、
同じ著者の、本書を手にとってみました。
組織戦略の考え方」は、薄手の新書本でしたけど、
こちらは300ページを越える分厚い単行本ですね。
まず、そのボリュームに圧倒される思いでした‥(^^;)
その分厚い本書ですが、三部構成になっていますね。
第一部では、今まで展開されている経営戦略論を、
5つに整理して説明しています。
そして、第二部では、本書のタイトルにも織り込まれている
「時間展開、相互作用、ダイナミクス」の
経営戦略における3つの論点について取り上げられていますね。
第三部は、実践への展開という感じになっています。

  • 「経営戦略」について、上手くまとめられていますね

分厚さもあって、読み応えのある内容に、仕上がっていますね。
私自身が、現在は経営企画部門に所属していて、
経営戦略論に関心があることもあって、
興味深く本書を読むことが出来ました。
さすがは気鋭の学者さんだな、という感じですね。
第一部の「経営戦略論のまとめ」は、
上手くまとめられているものと思います。
経営戦略を学ぼうとする人達に、お薦めの内容ですね。
本書の全体を通じて、経営戦略の体系や思考、実践等を
学ぶことが出来るようになっています。
ただ、著者も理解していることですが、
「経営戦略思考は、深読みが必要となるため、
本を1冊読んだところで、すぐ実践出来るものではない」
というのが実際のところではありますけど‥(^^;)

  • 理論と実践も、また異なりますね‥

経営戦略の理論と実践も、また異なりますね。
著者は大学の教授であり、理論側からのアプローチとなりますが、
企業の立場から見た、実践側のアプローチはまた別ですよね。
優れた経営者が、経営戦略を理解して実践しているかとなると、
必ずしもそうではなく、自らの優れた勘によるところも
あったりしますよね。理論と実践、両方が必要になると思います。
ヤマト運輸の宅急便の例のように、
理論に基づいてしっかりと構築された案が
実行に移されて大成功を収めた例もありますけど、
まぁ当然のことながら、一般的に学者さんは実践不足であり、
企業経営者は理論不足、なのでしょうね‥(^^;)
「人間と社会について、深読みが必要」となる経営戦略思考、
日々鍛えていくことが必要になるのかな、と思います。
私のようなサラリーマンにとっては、日々の業務が実践の場であり、
本書のような本を読んだりすることによって、
理論を補って、鍛えていくことになるのでしょうね。