「野村主義 勝利への執着力」(はてな年間100冊読書クラブ 103/100)

野村主義

野村主義

  • 毎度見掛ける記載も‥その執念深さには恐れ入ります‥(^^;)

ご存知、昨年で楽天イーグルスの監督を退任した、
野村克也さんの著書ですね。野村さんの著書は、
昨年何冊か読みました。しかし、何冊か読み進めるに従って、
次第に同じような内容の記載が増える傾向にあり、
少々読み飽きた感がありました‥(^^;)
今回は久しぶりに著書を手にとってみましたが、
この本は、意外に(笑)初見の内容もあって、楽しめましたね。
もちろん、選手時代の鶴岡一人監督に対する記載など、
過去の本と散々重複する内容も多く(笑)、
「いや〜野村監督、毎度毎度執念深いなぁ‥」と
思うところも、多々あるのですが‥(笑)

  • 他の著書では見かけない(笑)、最近の、楽天監督時代のエピソードも

その初見の内容は、過去に出版された本では
触れることの出来ない、最新の楽天監督についての内容が多いですね。
監督契約の更新の際に、「残り1年」と区切られたことへの違和感、
(この1年後の昨年秋に、解任騒動で球団側と大いに揉めたのは、
まだまだ記憶に新しいところですね‥(^^;))
「俺はまだまだ元気なのに、年齢だけで判断するな」
という野村さんの強烈な思い、ですね(笑)
チームの打の中心、山崎武司選手に対して、
チームのことを考えたバッティングが出来るか試したところ、
そして、変化球が武器のマー君田中将大投手)に、
若いからとストレート強化を指示して、その結果マー君
伸び悩んでしまったことへの反省などが、綴られていますね。
ただ、「残り1年は勝負にこだわる」と宣言した通り、
昨年は楽天を見事にクライマックスシリーズ進出に
導いた有限実行なところは、さすがだと思います。

  • 外国人監督は不要、ただID野球の元祖は、外国人ですが‥

また、「日本での監督業を、腰掛程度にしか考えていない」
として、外国人監督不要論などを、主張したりしていますね。
そんな野村さんにとって、楽天の後任監督が
よりによって外国人監督のブラウン監督に替わった事は、
まさにはらわたが煮えくり返る思いでは、なかったでしょうか。
ブラウン監督に対する厳しい発言は、
このような背景があるのでしょうね‥(^^;)
まぁ、野村さんご自身が「自分は王さん(王貞治)のように
人間が出来ていない」、と自嘲されていますけど‥(^^;)
ただ、野村さんのID野球の元祖は、南海ホークスの監督時代に
自身を支えたブレイザー氏のお陰ではありますけど‥(笑)
「参謀・コーチとしては良いけれど、監督を任せることはダメ」
といった感じでしょうか‥?(^^;)

  • 将来を見据えて、解説者で生計を立てていこうと計算

その南海時代といえば、野村さんは現役の選手の頃から
「高卒の自分は、学歴が低くて監督になれる可能性は無いから、
引退後は現場復帰は考えず、解説者として稼ごう」
という明確な意志を持っていたようですね。
そのため、試合中に観察眼を磨くことを心掛け、
マスコミの記者に対して、分析力があることを売り込んでいたようです。
その結果、現役の選手時代から、日本シリーズの解説などに
呼ばれて登場することが、出来ていたようですね。
しっかりと将来設計を見据えていたところは、さすがですね。
解説者時代の「野村スコープ」などの、
視聴者に好評を博した解説ぶりや、
監督時代のID野球の原点を、ここに見た思いです。
ただ、そんな野村さんですが、後援会長から
「(後の奥さん)沙知代さんと、南海監督のどちらを取るか選べ」
と言われて、ためらいもなく「サッチー」を選択したようですね(笑)
この結果、野村さんは南海監督を解任されてしまいます。
野球の現場では、冷静に頭脳を駆使する野村さんですが、
恋だけは感情に流されてしまった、という感じでしょうか‥(笑)