「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」(はてな年間100冊読書クラブ 95/100)

  • 懐かしくなって読み直してみた、本シリーズの初巻

先日、本シリーズの佳境から終盤に至る位置づけの作品、
「暗き黄昏の宮」を読みました。そうすると、
本シリーズの初期の作品が懐かしくなってしまい、
久しぶりに、第一巻を再読することになりました…(笑)
現在進行中の、重い展開の第2期シリーズとは違って、
割と明るい調子の、第1期シリーズは、
読後感が爽やかな感もあり、もう一度読み直してみようかな…と。
第1巻は、家柄は良いものの、貧しい暮らしを余儀なくされており
生活感あふれる(笑)毎日を送っている主人公の紅秀麗が、
ある日突然、王様の臨時貴妃兼教育係として
王宮に送り込まれることになって…という感じで進む、
一種のシンデレラストーリー、ですね。
「教育相手」の王様は、暗愚を装っていますが、
実はわざとで本当は賢明だったりします。
また、軽いバイト感覚だった秀麗は、
最後には誘拐事件に巻き込まれてしまうなど、
波乱万丈の展開という感じですね。
そんな中で王様は秀麗に恋愛感情を抱き、
戸惑う秀麗ですが、最後にどんな結論を選ぶのか…
という感じで、ストーリーは進みますね。

  • ラストに至る展開は、少々唐突な感も否めないですが…

改めて読み直してみると、誘拐事件に巻き込まれたりする
ラストへの展開は、少々唐突&強引な感を受けてしまいますね。
また、誘拐事件を巻き起こす黒幕の茶太保ですが、
賢臣的な位置づけをされている割には、
あっさり露見して鎮圧される謀反を引き起こすものだなぁ…
と思ったりしてしまいます。
まぁ、作者にとってこの作品がデビュー作であったこと、
そして元々は読み切り作品として
本書が書かれていたことを考えると、
多少の齟齬等は、やむを得ないのかもしれません。