「凡人が一流になるルール」(はてな年間100冊読書クラブ 84/100)

凡人が一流になるルール (PHP新書)

凡人が一流になるルール (PHP新書)

  • 偉人の「仕事のルール」に学んでみる

現代の産業社会に大きな貢献を果たした
偉人の「仕事のルール」を学ぶことによって、
自らを成長させよう、というコンセプトの本ですね。
本書には偉人が6人登場しますが、
大きく分けて、エジソン豊田佐吉のような発明家と
カーネギー渋沢栄一のような実業家に分かれています。
理系・技術系の人には発明家のパート、
文系・事務系の人には実業家のパートが
主に参考になるのではないかな、という感じですね。
カーネギーの「決断は早く」「喜んでただ働き」、
渋沢栄一の「手伝いをして、仕事の手法を盗む」
「得意な分野で勝負」などは、確かにそうだという感じでした。

  • 発明家(理系)のこだわりは、面白いですね

私は事務職なので、参考になるのは
上記のように実業家のパートでしたけど、
読んでいて面白かったのは、発明家のパートでしたね。
例えば豊田佐吉は、展示会などに出掛けると、
「理解出来るまで帰らなかった」そうですね。
またエジソンは、アイデアが浮かび易いように、
「血管を圧迫しない服を着る」よう心掛けていたようです。
「形になるまで作業を止めない」、「道具はいつも手元に置く」
というところも、いかにも発明家って感じですよね。
こういった、発明に対する拘りや探究心といったところは、
我々文系・事務系の人間には
あまり見られないので、興味深かったですね。

実業家では、阪急グループの創業者・小林一三さんの
「仕事ルール」が面白かったです。
若い頃は夜遊びしたり、あるいは不倫沙汰を起こしたりした
問題社員であったところなど、「偉人伝」では
あまりお目にかかれないような所業もあったりして、
読者の凡人にとっては、親近感を抱けるのではないでしょうか。
もっとも、これらの過去のマイナスをプラスに変える程の、
めざましい活躍を、小林さんは成し遂げる訳ですが‥
また、小林さんのルールでは、例えば
「若い頃は他力に頼って、経験を積んだら自力」、
「自分を高く評価してくれる人を意識する」というところも、
我々凡人には、納得しやすい内容かと思います。
「最初から自力で、全て切り開け」と言われても
凡人には至難の業に、思えてしまいますから‥

  • 偉人の伝記を読んでも、インスピレーションは働かなかったですね‥(^^;)

本書の内容は、全体的に啓発される箇所も多く、
良い本だとは思います。ただ、タイトルは、
もう少し工夫出来たのではないかと思います。
「自らを凡人としてとらえ、偉人に学ぶこと」が
大切とのことですが、「凡人」という言葉には
あまり良い響きが無いですからねぇ‥
また、エジソンなど本書に登場する偉人は、
昔の偉人の伝記を読んで、インスピレーションが
働くことも多かったそうです。
エジソンの伝記」は、私も含めて多くの人が
小さい頃に一度は読んだことがあるかと思います。
しかし、私は読んだ当時は「凄いな」とは思いつつも、
インスピレーションは起きなかったですね…(^^;)
こういったところが、偉人と凡人の
運命の分かれ道なのかもしれません‥(笑)