「高速道路の謎 雑学から知る日本の道路事情」(はてな年間100冊読書クラブ 71/100)

高速道路の謎 (扶桑社新書)

高速道路の謎 (扶桑社新書)

  • 高速道路の様々な知識を、解り易く解説

本書は、高速道路の色々な豆知識を、
わかりやすく解説していますね。
高速道路の渋滞が発生する理由、
高速道路の歴史、日本と諸外国の高速道路事情、
日本の高速道路の行方などが、盛り込まれていますね。
昨年は、高速道路の休日1000円均一の実施や、
民主党政権の方針でもある高速道路無料化施策など、
高速道路を巡る状況は、今まさに話題になっていますね。
今年、高速道路無料化に向けた社会実験が始まりましたが、
この本では、全国の高速道路について、
無料化や有料維持等の予想一覧もあげられていますね。
また、雑学ファンのニーズに応える内容にも、
なっているかと思います。

  • 渋滞の発生理由は、興味深かったです

個人的に興味深かったのは、渋滞に関する箇所でした。
「上り坂や合流して車線が減少する」ポイントが、
渋滞の名所になってしまうということが
具体的な場所の例をあげて、解説されていますね。
なるほど、連休のニュースで毎度放送される
東北道は、大谷PAを先頭に○キロの渋滞」、
私のような地元民ではなくても、
「なぜ「大谷PA」から渋滞が発生するのか」、
よく理解出来ました。また、東名高速や中央道など、
全国各地から東京都心に向けて、
車が集中する構造になっているというのに、
首都高の環状線が2車線しかなければ、
大渋滞が発生するのは、自明の理って感じですね。
まぁ、東京都心で土地を確保するのが難しく、
車線の増加はほとんど不可能であった、
ということも言えるかとは思いますけど…
都心以外でも、中国自動車道と山陽自動車道が合流する
神戸JCTなど、人為的な計画・構造の欠陥により
渋滞が発生するケースも多いんだな、と実感しました。

  • 実際の「走り屋」である著者の経験も、内容に生かされて

また、走り屋である著者の実体験が、
内容に生かされていますね。
海外の高速道路事情についても、
実際に走った経験のある著者による記載は、
内容に説得力を持たせているな、という感じです。
我々島国在住の日本人は、海外で車を
実際に運転する機会は、なかなか無いでしょうからね…
上記の渋滞についての記述でも、
渋滞をわざわざ実体験しに出掛けたり(笑)
渋滞の高速道路と、高速を降りた場合の一般道で
どちらが所要時間が早いか、実際に比較していたりしますね。
実例をこうして示されれば、内容に対する納得感は増しますね。