「「履歴書のウソ」の見抜き方調べ方」(はてな年間100冊読書クラブ 60/100)

「履歴書のウソ」の見抜き方 調べ方

「履歴書のウソ」の見抜き方 調べ方

  • 採用担当者向けに、応募者を書類段階で選別するためのテクニック

本書は、主に企業の人事・採用担当者向けに、
中途採用の際に使用される書類
(履歴書・職務経歴書エントリーシートなど)の読み方や
ウソの記述の見抜き方を解説した本ですね。
不景気の時代、少数の中途採用にも関わらず多数の応募者が殺到し、
面接前に書類で応募者を振り落とす必要があります。
その、書類で振り落とす段階で有用なテクニック、でしょうか。
勿論、最終的な判断は、候補者に対して直接面接を実施し、
書類と面接を総合的に判断して、決めることになるとは思いますが。
逆の見方をすれば、応募者側にとっては、
「書類作成にあたって、留意すべきこと」
が盛り込まれているハウツー本、とも言えますね。
著者は、「1万人以上の面接経験を持つ、伝説の人事部長」ですから、
採用する人事部側の生の声として、
大いに参考にすることが、出来るのではないでしょうか。

  • 中途採用では、即戦力と会社への貢献をアピールするべき

「書類で応募者を振り落とすテクニック」とは、
例えば履歴書であれば、
使い回しで「やる気の無い」履歴書の見抜き方、
記入ミスや誤りから、注意力の有無を判断する、
応募者が触れていない箇所から、
応募者が隠したいことを推測する…といった感じですね。
内容的には、全般的に的確なことが書かれていると思います。
また、「中途採用は新卒の採用と違い、
即戦力になる人材を求めている。
そのため、「自分が何の能力で会社に貢献できるか」
しっかりアピールすることが重要」といった
中途採用における心得などは、自己PRに気を取られたりして、
つい忘れてしまいがちかもしれません…

  • 応募者は、本書のテクニックを逆手に取って(笑)

まぁ、会社と社員双方とも、相性が良いことが
一番良いのでしょうけど、残念ながらこの不景気の時代では、
求人よりも求職者が圧倒的に多い
「買い手市場」状態が続いていますね。
従って、求職者はなんとか採用担当者の目に留まる
採用書類を作成しようと、必死になります。
その過程として、成果や能力を誇張して書いたりしがちですよね。
度が過ぎるとウソになってしまう、といった感じでしょうか。
私は採用する側の経験は無く、採用される側の経験は多いので(笑)
個人的な気持ちとしては、同じ立場であった
求職者側を応援したくなってしまいますね…(^^;)
求職者としては、採用担当者が参考にするであろう
この本のノウハウを逆手に取って(笑)
見事採用担当者を騙して、採用を勝ち取って貰いたいものです。

  • 転職サイトのアドバイザー的な役割をしていた著者…

本書の著者の谷所健一郎さんは、
以前私が転職サイトを利用していた時に、
「ヤドケンさん」として、応募者側の質問に対する、
回答者・アドバイザー的な役割を果たしていたかと記憶しています。
その谷所さんが、本書のような、
採用者側のスタンスで応募者をふるい落とすような本を書くとは、
少々裏切られた気分になってしまいますね…
嘗ては企業の人事部長でもあり、
そして採用者側は普通は得ることが出来ない、
求職者の本音も聞ける立場にあった著者ですから、
内容的には正確だとは思いますが…