「お釈迦様もみてる ウェットorドライ」(はてな年間100冊読書クラブ 54/100)

  • 夏休みの合宿は、一年生は学校内で

お釈迦様もみてる」シリーズも、第3作目になります。
今回は、花寺学院高校の夏休みが舞台になっていますね。
主人公の福沢祐麒が手伝いをしている生徒会が、
避暑地で合宿することになります。祐麒も一緒に行けるかと思いきや、
一年生の中には合宿と同じ期間に、
補習を受けざるをえない生徒もいたりして、
巻き添えを食らう格好で、合宿には行けなくなってしまいます。
その代わり、学校に泊り込んで「合宿」を行うことになります。
合宿期間中は、夏休みに活動する
部活動の助っ人をすることになりますね。
その合宿中のエピソードを描いたのが、今回の作品となります。

  • 必ずしも「爽やかな」合宿ではなく、色々な思惑が絡み合って…

合宿中ですが、登場人物を巡っては、男子校らしからぬ、
結構ドロドロとした感情が、蠢いたりしていますね…(^^;)
このあたりは、女性著者ならではのエピソード、
といった感じでしょうか。
例えば、怪我で野球を諦めた祐麒に対して、
彼自身を快く思っていない野球部員がおり、
面と向かい合うと、感情を剥き出しにします。
また、祐麒の友人で一緒に生徒会を手伝っている高田には、
その体格を買われて、運動部の助っ人依頼が殺到します。
しかし、高田は体格は良いものの、
実は運動オンチということが判明してしまい、
運痴であることが部活動内で広まると、
依頼の撤回が相次ぐようになってしまいます。
その事実を隠そうとする高田と、
偶然知ってしまった祐麒の複雑な関係とか…
一方で、これは男子校ならではの(笑)
やおい感情」を抱く生徒もいたりして、
まさに色々な思いが絡み合いますね…(笑)
残念ながら、彼の「初恋」は、適わぬ運命になりそうですが…

  • マリみて」のエピソードのシンクロする場面も

また、本編の一場面が「マリア様がみてる」の
エピソードとシンクロする場面もあったりしますね。
マリみて」で展開されたのは、かなり前のことなので、
私は実は、すっかり内容を忘れてしまっています…(笑)
もう一度読み直さないといけないですね。
マリみて」で読んだときは、不思議なというか
よく解らないストーリーって感じがしていましたけど…
そして毎度最後に美味しいところを持っていくのが、
主人公・祐麒の烏帽子親、柏木優ですね。
学校で合宿をする羽目になるいきさつなど、
今のところ、祐麒は柏木の手のひらの中で
踊っているというか踊らされているという感が
相変わらずぬぐえないって感じですね…(苦笑)