「論戦力」(はてな年間100冊読書クラブ 41/100)

論戦力 (祥伝社新書157)

論戦力 (祥伝社新書157)

  • 元・共産党の代議士の著者ですが、公平に評価していますね

共産党の国会議員として活躍してきた著者が、
自身が見聞きした実際の政治論戦の様子を、分析した本ですね。
嘗ては共産党の代議士であった著者ですが、
今ではもう、共産党との関係は切れているようです。
従って、他党議員に対しても、褒められるべきところはきちんと褒め、
逆に共産党議員に対しても、厳しい言葉が並んでいたりしますね。
国会での論戦での様子は、一部がテレビでも放送されたりするので、
一般人でもある程度は上手い議員・下手な議員が想定されますけど、
おおむねその印象に違いはないようですね…(苦笑)
小泉純一郎さんはやはり上手く、
一方で前首相の麻生太郎さんについては、
覚悟が無いので論外(笑)だそうですね。
小泉さんのほか、小渕恵三・元総理も
著者にその論戦力を褒められたりしています。

  • 論戦に臨むにあたっては、しっかりと準備を

花の?論戦の舞台に挑む以上、準備はしっかりしておかないと
相手に打ち負かされて恥をかかされることになるため、
しっかりと準備をしておく必要があります。
共産党不破哲三・元委員長は、論戦の際には
最初から全ての手の内を全ては明かすことはなく、
論戦の流れを見ながら、相手を論破出来るような
「二の矢」・「三の矢」を準備して、論戦に臨んでいたとのことですね。
「さすがは印象通り、手堅いなぁ」
という感じがしてしまいます…(^^;)
もっとも、現在の志位和夫・委員長は、手堅さを追い求めすぎて
「石橋を叩いて、壊してしまう」そうですけど…(苦笑)
とはいえ、論戦相手を追及するには、
以前の民主党の「ホリエモンのメール」の失敗例が示すように、
それなりの証拠を用意することが必要となります。
準備する秘書さん達は、凄く大変なのでしょうね…(^^;)

  • 政治論戦に、人格攻撃を持ち出してはダメ

また、政治論戦の際には、政策を攻撃しあうのは
党によって主義主張が違うため、もちろん構わないのですが、
「相手の人格攻撃」だけは絶対にダメとのことですね。
その例が、社民党辻元清美議員による、
疑惑の総合商社」等の、一連の鈴木宗男議員の追及だそうですね。
まぁ、「女は産む機械」等、様々な失言が問題になる例が
これだけ多く続いているということは、
人格的に問題のある議員(=論戦相手)も多そうですけど(笑)
「政治論戦」では、感情的になってしまってはダメであり、
冷静に相手を追及する必要があるということですね。
それが著者の言う「論戦力」ということでしょうか。