「家庭モラル・ハラスメント」(はてな年間100冊読書クラブ 32/100)
- 作者: 熊谷早智子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/21
- メディア: 新書
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- 「モラル・ハラスメント」=家庭内の精神的暴力
「モラル・ハラスメント」という言葉は、
私はこの本を読んで、今回始めて知ったのですが、
「妻に対する、夫の精神的な暴力」といった感じですね。
リアルな暴力はDVになりますが、精神的・言葉的な暴力が
この「モラル・ハラスメント」にあたるようですね。
「釣った魚に餌は与えない」といったように、
結婚すると態度が豹変する、という例は昔からあります。
しかし、この本を読んで、「餌を与えない」傾向が、
現代は、さらに酷くなっているのではないかと思われました。
いわゆる「外面が良くて、内面が悪い」というのも
このモラハラの一つでしょうね。
モラハラ夫は、外では「良い旦那さん」で外面が良く、
内では「妻に精神的な暴力を振るい」内面が悪いため、
妻が他人に愚痴をこぼしても、
良い外面しか見ていない周りからは同情されない、
という妻にとって不運なことも起きてしまうようです…
- ひたすら19年間の我慢…
著者の「モラル・ハラスメント」の実例は、
被害の様子が生々しく記載されており、
なかなか凄まじいものがありますね…
結婚直後から夫の態度が豹変してしまい、
それから19年間、著者は夫のモラハラを
ひたすら我慢し続けたそうです。
よくもそれだけ我慢出来たものだなぁ…という感じですね。
夫婦仲が悪化した場合、妻が専業主婦であると、
離婚に踏み切っても妻は生活費を稼げないため、
夫婦仲が冷え切っても仮面結婚生活を続ける、
なんて事例がありますけど、
著者の場合も、この例だったのでしょうね。
- 夫の家庭のモラハラ負の連鎖と、著者と母親の折り合いの悪さが原因?
また、著者の場合は、実の母親と折り合いが悪く、
モラハラ状態でも、実の母親は安息の場所とは
なり得なかったようですね。
むしろ姑のほうが、著者に同情してくれたようです。
何故姑が嫁に同情したかというと、
姑もまた、夫からのモラハラに
苦しめられていたから…なのですね。
親に虐待された子供は、自分が親になった時に
子供を虐待してしまうといった、
いわゆる「負の連鎖の繰り返し」がありますけど、
著者のモラハラも、その例なのでしょうね。
また、著者は実の母親との折り合いが悪かったことにより、
「(誰でもいいから)結婚して、早く実家を出たい」
という思いが強かったようです。
そのため、男性をしっかりと見極めることが出来ずに
モラハラ男という、とんでもない夫を掴んでしまった、
ということも言えるかと思います。