「胸騒ぎのデパート」(はてな年間100冊読書クラブ 27/100)

胸騒ぎのデパート

胸騒ぎのデパート

  • デパートの魅力がふんだんに盛り込まれて

お笑い番組構成作家である著者が、
自らのデパートに関するマニアックな知識を、公開した本ですね。
カラー写真をふんだんに使って全国各地のデパートを紹介した
デパート愛あふれる本に仕上がっています。
東京や大阪に限らず、札幌の丸井今井に鹿児島の山形屋など、
各地を代表する有名デパートが紹介されていますね。
豪華な内装や、大食堂などの施設、デパガなど
デパートの魅力がふんだんに盛り込まれていますね。

  • デパートに元気が無い、今の時代だからこそ

現在、デパートの売上高といえば
他店に客足を奪われ、右下がり傾向が止まらない状況です。
池袋や新宿の三越、有楽町のそごうなど
各地でデパートの閉店が相次ぎ、苦戦を強いられていますね。
伊勢丹三越、大丸と松坂屋高島屋と阪急、西武とそごうなど、
かつての金融危機時代の銀行のように、
合併による生き残りを模索する動きが相次いでいます。
エレベーターも経費削減により自動化され、
美人の代名詞であった「エレベーターガール」も
過去のものになりつつありますね…
そんな、デパートに元気の無い現在ですが、
この本を読むと、古き良き、デパートに元気があった時代の
デパートの魅力が呼び起こされる、って感じですよね。
懐かしい思いをしながら、読み進めていきました。

  • 私も著者と同じく、デパートには思い入れがあるので…

「辛い人生からデパートが助けてくれた」という
著者ほどではないですけど(苦笑)
私も結構、デパートには思い入れがあります。
私は、小さい頃親に連れられて
デパートに行くことが多かったです。
おもちゃ売り場はもちろん、デパ地下のお菓子売り場や、
屋上遊園に買い物が終わった後の大食堂のお子様ランチなど、
デパートは、子供心に大変楽しかった記憶があります。
その記憶があって、今でもデパートが好きで、
デパ地下めぐりとか、よくしていますね。
何でも揃っている、「百貨店」と言われたデパートですが、
電気店などの専門店との競争に敗れて
最近のデパートは、食料品と婦人衣料以外の
アイテムの取り扱いをほとんど止めてしまった、という感じですよね。
嘗ての「百貨店」の面影は、今やすっかり無くなってしまいました…

  • 嘗ての賑わいを取り戻してくれると良いですね

各地にイオンなどのショッピングモールがオープンして、
百貨店を始めとする駅前商店街の衰退が
著しいといわれている現在、
子供達はもうデパートに行く機会も
無くなってしまったのかな、と思います。
嘗ての私の「楽しかった場所」であったデパートですが、
今の子供にとっての「楽しい場所」は、
ショッピングセンターに変わってしまって
いるのかもしれないですね。
デパートの社員の方々が、この本を読んで、
昔のデパートが元気だった頃を思い出し、
再びの活性化に知恵を絞って頂いて、
デパートがまた嘗ての賑わいを取り戻してくれると
嬉しいな、と思います。