「古城の風景6 北条水軍の城」(はてな年間100冊読書クラブ 20/100)

古城の風景6 北条水軍の城

古城の風景6 北条水軍の城

  • 今回は、北条氏ゆかりの伊豆・相模の城

歴史小説家・宮城谷昌光先生が
各地の城跡を回る本シリーズも、6作目ですね。
今作では、タイトルに「北条水軍の城」とある通り、
水軍に縁のある、伊豆や相模の城が取り上げられています。
北条氏の本拠地で、天下随一の名城・小田原城も登場しますね。
北条氏が、相模の三浦氏や安房の里見氏と
水軍を利用して戦い、勢力を広げていきましたね。
守護大名戦国大名出身では無い北条氏は、
最初から保有している領土はありませんでしたが、
伊豆に拠点を置いていた堀越公方
小田原市の旧城主・大森氏、
そして関東管領の流れを引く名門の山内・扇谷上杉氏あたりを圧迫し、
駿河の今川氏や甲斐の武田氏と対峙しながら、
成長していったことが伺えますね。
歴史を頭に置きながら、城跡の地に立って
思いを巡らせるのが宮城谷先生流の城跡巡り、
歴史探訪という感じですね。

  • 昔は仲が悪かった、北条氏と今川氏

今川氏と北条氏というと、
武田氏を含めた三国同盟時代、
そして武田氏と今川氏の同盟破棄後は、
北条氏は劣勢の今川氏真を支援して、武田氏と対抗したことなど、
ずっと仲が良かったのかと思っていました。
しかし、昔は仲が悪かったんですね。
一時は駿河東部を占拠するなど、
情勢は北条氏に有利に運んでいましたが、
上記の通り、北条氏としては四方八方に敵を抱えることになるため、
今川氏とは和解して駿河東部は返却し、
北条氏は関東攻略に力を注ぐことになったようです。
実質的な初代の北条早雲から氏綱・氏康と名君が続き、
北条氏は関東で勢力を拡大していきますね。