「男道」(はてな年間100冊読書クラブ 13/100)

男道

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  • 運命のドラフトは、当事者3人に重い十字架を…

昨年引退した、プロ野球清原和博選手の自伝本ですね。
ずば抜けた能力を見せていた小・中学生時代、
PL学園に進学して桑田真澄投手に出会った高校時代、
運命のドラフトから西武ライオンズに入団した黄金時代、
念願の移籍も艱難にまみれた巨人時代、
そして怪我に苦しんだオリックス時代という感じで
清原選手の波乱万丈の人生が、振り返られています。
清原選手にとって、希望の巨人ではなく
西武に指名された運命のドラフトが、
最後まで重い意味合いを持っていたんだな、
と実感しました。その巨人の指名は、
同じPL学園の親友・桑田真澄投手でしたからね…
この選択が親友二人の運命を狂わせてしまい、
ドラフト会議後は、桑田投手とは疎遠になってしまいますね。
そして、清原選手の引退試合
福岡ソフトバンクホークス戦、
ドラフト当時の巨人の監督であった王貞治氏は
ソフトバンクの監督となっていました。
そして清原選手に「生まれ変わったら同じチームで
ホームラン争いしよう」と耳元で囁いたそうですね。
清原選手だけではなく、桑田選手に王監督
このドラフトで重い十字架を背負ってしまったんだな、
と改めて実感しました。

  • 「筋トレ」は間違った努力だったのでは…?

清原選手の晩年は、リハビリに明け暮れていたりして
試合になかなか出場出来なかったりしていたので、
正直「給料ドロボウ」と思っていたりもしたのですが(苦笑)
この本を読んで、清原選手本人は
私が「給料ドロボウ」と思っていた頃、
復帰に向けて必死だったんだな、
と少しだけ認識が改まりました(笑)
もっとも、「見栄えのするホームランを打ちたい」
という思いから筋トレに励んだものの、
その結果、膝を悪くしてしまったようですね。
筋トレが「選手人生を縮めてしまう、間違った努力」
だった感が、しないでもないですが…(^^;)
「お客さんの度肝を抜くホームラン」ではなくても、
普通のホームランが打てれば問題ないのでは…?
なんて、素人の私は思ってしまいますけど…(笑)

  • 清原家の愉快な人々…(笑)

面白かったパートというと、
やっぱプロ入り前の小中高生時代しょうか。
大阪在住ながらも、祖父の影響で巨人フアンになったこと、
息子を天理高校に入学させるために、
にわか天理教信者(笑)になったお母さんなど、
清原家にはなかなか面白い人材が揃っていますね(笑)
このお母さん、ドラフト時には、
「あんたは(巨人に)フラれたんやから」
と息子を励ましたりもしていますね。
イチロー選手の父親のように、
息子の練習につきっきりで世話をするタイプとは
また違いますけど、清原選手の人格形成に
大きな影響を与えたことは間違いないと思います…(笑)