「バクチと自治体」(はてな年間100冊読書クラブ 12/100)

バクチと自治体 (集英社新書)

バクチと自治体 (集英社新書)

景気の悪化もあって、最近は衰退が著しい、
競馬・競輪・競艇オートレースといった
公営ギャンブルの過去からの繁栄と衰退の歴史が
描かれていて、なかなか読み応えがありましたね。
私が手を出すギャンブルは中央競馬のみで、
ここに書かれている、地方競馬などの公営ギャンブルには
手を出してはいませんが、読んでいて興味深かったです。
ギャンブルに関心・興味のある人なら
楽しめるのではないかと思います。
特に、美濃部亮吉・革新都政時に、
大変な逆風が吹き荒れた、
東京の公営ギャンブルについては
多くの枚数が割かれていますね。
また、大晦日の廃止当日に大雪が降り、
レースが途中で中止になってしまった
高崎競馬の廃止については、
競馬ファンの私にとっても、まだ記憶に新しいところですね。

  • 赤字なら撤退、民営化しかない…

公営ギャンブル、嘗ては繁栄を極め、
自治体の収入にも貢献しましたが、
現在では赤字が膨らむばかりになってしまっています。
著者の論調は、「(単年度)赤字なら撤退・民営化しかない」と、
あっさりしたものですね。
まぁ、公営ギャンブルのファンは高齢の方が多く、
先行きが決して明るくないというのは自明の理ではありますけど。
自治体が自らギャンブルの運営に乗り出す」というと、
今なら非難轟々モノかと思います。
昔から、「ギャンブル=悪」
というイメージは変わらなかったと思いますが、
よく自治体がギャンブルの運営を
始められたものだな、と思います。
当時は公営ギャンブルが黒字で、
自治体の収入に貢献していたので、問題にはならなかったのでしょうか。