「織田信長最後の茶会 「本能寺の変」前日に何が起きたか」(はてな年間100冊読書クラブ 11/100)

織田信長 最後の茶会 (光文社新書)

織田信長 最後の茶会 (光文社新書)

「東アジア研究家」の著者が、
本能寺の変について考えた本ですね。
室町時代の政治史に関しては門外漢」
と著者自ら述べているように、
あくまでも著者の(それも偏った)主観に留まっており、
本能寺の変」について、本格的な考証をした
内容にはなっていないですね。そういう意味では、
このタイトルは少し羊頭狗肉気味のような
感じがしてしまいます。
倭寇や永楽銭といった東アジアの経済交流に
ページが割かれていたりするのは、
著者の専門・得意分野であるからなのでしょうね。
「東アジア経済交流」や「太陽暦太陰暦」といった
タイトルでは本は売れないから、
歴史上の人気人物・織田信長をタイトルに据えてみた、
そんな感じがしてしまいます…

  • 暦の違いについては、詳しく説明

羊頭狗肉といえば、著者は暦に詳しく、
太陽暦太陰暦の違いなどが、
随分と詳しく説明されています。
これはこれでなるほど、という感じなのですが、
タイトルと見比べてみると、
この内容ってちょっとどうなのかな、という気もしますね。
まぁ、信長が暦を一新しようとして、
今までの暦に関わってきた勢力(朝廷等)に
消されたというのも、著者の一説ではあるようですが…
また、明智光秀が信長を襲ったのは、
信長が所有していた茶器が目当てだった、
という説も紹介されていたりしますけど、
これはちと荒唐無稽すぎますな…(^^;)