「奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録」(はてな年間100冊読書クラブ 4/100)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

  • 困難を極めて、遂にリンゴの無農薬栽培に成功!

一般的には不可能と考えられていた、
リンゴの無農薬生産に挑み続け、ついに成し遂げた
農家・木村秋則さんのドキュメンタリーですね。
ただ、一般には不可能と考えられていただけあって、
無農薬栽培への道は、困難を極めます。
何度も何度も失敗し、他の農家からは嘲られ、
木村さん一家は生計も困憊してしまいます。
リンゴの木が問題なのか、それとも土壌が問題なのか‥
まさに試行錯誤を繰り返した上で、
木村さんは遂に、リンゴの花を咲かせることに成功します。
その記述は、読者にとってもまさに歓喜の一瞬ですね。
読んでいて、私も興奮を覚えてしまいました‥(^^;)
少し前に人気を集めた「プロジェクトX」シリーズを
思い出してしまいましたね。
もっとも、「プロジェクトX」が、企業のチームワークで
大事業を成し遂げたというのに対して
木村さんは一人で、リンゴの無農薬生産という
大事業を成し遂げています。
今回の木村さんの例のほうが、よりインパクトは大きいですね。

  • 農家として異質なところが、成功の要因‥?

もっともこの木村さん、単なる農家ではなく、
工業系の大学を出ていてメーカーに就職、
メーカーでも頭角を現すなど、
理系分野に強かったりもしていますね。
また、理系でありながら簿記の資格も取ったりと
マルチな才能をお持ちのようです。
そういった頭の良さも、成功に繋がったところが
あるのではないかと思います。
農家って、個人の経験と勘に頼るところが多く、
その成果や成功例って、あまり具体化されていない
ケースが多いですからね‥
理系分野に強い木村さんですが、
リンゴの栽培については、
必ずしも理詰めや化学理論一辺倒ではないですね。
例えば、山で木々がすくすくと生長している様子を見て、
土壌が問題であることに気づいたりと、
成功に至る発見は、自然の摂理といった面が
多くを占めているような感があります。
そこがまた面白いところでもありますね。
個人的には、全てが科学的に解明されるよりは、
自然の摂理や不思議な面も残っていたほうが
良いのではないかと思ったりしています‥(笑)