大晦日の「Dynamite!!」

  • 魔裟斗選手は、引退の花道を飾って

晦日の「紅白歌合戦」の裏番組としては、
嘗ては複数の民放局が格闘技を放送していましたけど、
昨年末はTBS系の「Dynamite!!」のみとなりましたね。
昨年は、例年よりも目玉カードは少ないかな、
という感じもしました。ただ、視聴率は確保するなど、
盛り上がりは見せたようですね。
見応えがあったのは、魔裟斗選手の試合でしたね。
魔裟斗選手にとっては、これが引退試合となるとのことですが、
力の衰えを感じさせない試合ぶりでした。
「衰えた、カッコ悪いところを見せたくないし、見たくない」
という魔裟斗選手本人の美学なんでしょうね。
K-1では、武蔵選手のように、限界まで続ける選手もいますけど、
確かに魔裟斗選手には、ボロボロになるまで続けるというのは
似合わない気がしてしまいますね…大晦日当日の試合では、
それまで勝ったことの無いアンディ・サワー選手を相手に、
KOこそ奪えなかったものの、判定勝ちで有終の美を収めましたね。
ダウンを奪った後も、守りに入るのではなく
終始攻め続けていたところは、さすがだなと思いました。
それまで勝ったことのない相手でもあり、
普通は勝ちを意識してしまい、
稼いだポイントを守ろうとしがちなのですが…

  • これがデビュー戦の石井慧選手は、判定負け

一方でこの日がデビュー戦となる、
柔道金メダリストからの転進となる石井慧選手ですが、
こちらは判定負け、と苦いデビュー戦となりましたね。
石井選手の相手は、先輩金メダリストの吉田秀彦選手でした。
吉田選手は既に40歳、引退を見据えているとの事でしたが、
吉田選手の老獪さが、勝った感じの試合でしたね。
吉田選手は、石井選手が試合の雰囲気に慣れる前の
第1ラウンドに、石井選手にいきなり先制パンチを食らわせました。
その後は、年齢的なものもあり、スタミナ的に苦戦を強いられるものの、
最後までポイントを守りきった、という感じの試合でしたね。
逆に石井選手は、初めての試合に戸惑いもあったのか、
最後まで持ち味の攻めを出せなかったような、
そんな感じで終わってしまいましたね。
相手の吉田選手も、自分と同じく元柔道選手です。
相手の手の内も、ある程度は読めるでしょうから、
自らの持ち味を発揮し易い試合設定だったと思うのですが、
先輩に対する遠慮とか、もしかするとあったのかもしれないですね。

  • 石井選手応援の実況・解説は、いかがなものかと

ただ、この試合では、実況や解説者の口振りが
一貫して石井選手を応援している感が、
少々気になってしまいました。魔裟斗選手の試合のような、
「日本人選手vs外国人選手」という組み合わせであれば、
日本人選手応援実況になるのは、まぁ当然かと思います
しかし、「日本人選手vs日本人選手」の試合ですから、
一方的な贔屓的な実況・解説は、避けるべきだと思いました。
まぁ、「40歳で引退直前」の吉田選手よりも、
「期待の新人のデビュー戦」石井選手のほうが、
将来的に興行が期待出来るため、
石井選手を贔屓しがちになったのでしょうけど…