「日本の霊性 越後・佐渡を歩く」(はてな年間100冊読書クラブ 16/100)

日本の霊性―越後・佐渡を歩く (新潮文庫)

日本の霊性―越後・佐渡を歩く (新潮文庫)

  • 著者の梅原猛さんは、越後に強い関心があって‥

哲学者の著者・梅原猛さんが、
歴史的・宗教的に重要な地であった、
越後・佐渡を歩き、自らの考えを語っている本ですね。
梅原さんというと、昔「京都発見」シリーズという
この本と同じように、京都の寺社を訪ね歩いた
紀行本を出していました。その「京都発見」シリーズは、
歴史好きの私のツボにハマったこともあって、
この「越後・佐渡編」も、手に取ってみました。
梅原さんは、上記の通り歴史的・宗教的に
重要な地であった越後への関心がかねてから深く、
じっくりと訪ねてみたいと思っていたそうですね。
また、そういった縁もあり、越後(新潟県)にある
博物館の(名誉)館長なども、務めているそうですね。

宗教面では、越後は鎌倉時代親鸞日蓮流罪となり、
流罪期間中に思想を昇華させた事で有名ですが、
その他に、子供達と一緒に遊んだりして
「庶民的なお坊さん」として親しまれた良寛
臨済宗の中興の祖・白隠が、ここ越後出身とのことです。
親鸞日蓮の話は、私もある程度は認識あったこともあり、
むしろ遠い昔(縄文・弥生時代)、現在の糸魚川あたりに
発祥した翡翠文化圏の話が、面白かったですね。
この越後文明、全国各地に進出した大和朝廷
衝突することになりました。劣勢な越後側は押され、
女王が自らの体を差し出して一度は和睦するものの、
約束を破った大和朝廷に、滅ぼされてしまったようです‥
出雲以外にも、こうやってある程度栄えた文明が
日本国内にあった、というのは正直初耳だったりしました。

  • 文庫本ですが、写真が豊富で紙質が良い割には、値段は変わりません

また、この本は文庫本なのですが、
写真が大変豊富でしたね。
お陰で、紀行の雰囲気が、よく味わえると思います。
写真の掲載があるため、紙質は普通の文庫本よりも
良い紙を使っているのですが、
値段は普通の文庫本と変わらない値段でしたね。
お買い得感のある本だな、と思いました‥(^^;)
まぁ写真がある分、文章は少なくなりますけど。