「バッテリー5」(はてな年間100冊読書クラブ 11/100)

バッテリー (5) (角川文庫)

バッテリー (5) (角川文庫)

  • 主人公の巧は、徐々に丸くなりつつあるものの‥

「バッテリー」シリーズもはや第5巻目、
ストーリーもいよいよ佳境に入って来るかな、
という感じですね。主人公の原田巧は、
相変わらず野球一筋という感じで、
まだまだ強情な面も見えます。
ただ、そんな巧も、徐々に変わりつつあるかな、
という感もありますね。
病院のおばさんに怒られて、洗濯をさせられたりしています(笑)
これが以外に素直に指示に従うんですよね‥(笑)
タイトルが「バッテリー」ですから、
主人公でピッチャーの巧と、相棒のキャッチャー永倉豪に
焦点が当たり続けるのかと思いきや、
今巻では、巧達の先輩にあたる海音寺、
そして巧と豪のライバル的な存在である、
別の中学の門脇と瑞垣の存在感が増していますね。
むしろ、この3人が、5巻目のメインキャストだったかな、
という印象さえあります。その分、巧と豪の存在感が
薄くなってしまっているような感がありますね。

  • ライバル的な人物も、食えない感がありますね‥

ライバルの二人、門脇は天才肌で野球に集中、
という巧のようなタイプですが、
瑞垣は精神的に大人びていて、
なかなか食えない存在だったりしますね。
「ほんまに中学生かよ」とツッコミたくなる感もあります。
幼馴染みでありながら、野球に対して
天賦の才能を持つ門脇に対する、
瑞垣の複雑な感情は、理解出来なくもないですな。
「かなわない」という思い、諦めと嫉妬の心情etc‥
「門脇が打ちのめされる姿を見てみたい」
という瑞垣の気持ちも解るような気がします‥
もう一人のメインキャスト、海音寺は、
瑞垣と一緒に、新田東(巧達の中学)と横手(瑞垣の中学)との
再試合の設定に奔走しますね。
上記の通り、食えない性格の瑞垣ですが、
海音寺は瑞垣に丸めこまれることなく、堂々と渡り合いますね。
この海音寺、一見好少年に見えつつ、
陰ではタバコを吸っていたりしていて、
実は食えない存在ですなぁ。
これだけ癖のある登場人物の中に混じると、
「不器用だけど野球バカ」の巧が、
むしろ純真に見えてしまう感すらありました‥(笑)