「日本の10大新宗教」(はてな年間100冊読書クラブ 4/100)

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

  • デリケート話題ですが、中立を保った内容に‥

創価学会立正佼成会天理教などの
いわゆる「新宗教」について、解説していますね。
色々と論議を呼ぶ「新宗教」についての本、
ということで、著者的には取り扱った宗教に対して
個人的な思いもあるかと思います。
また、宗教ってデリケートな話題ですから、
下手なことを書くと、これらの宗教団体から
抗議が殺到しそうなのですが(^^;)
そこは淡々と、偏ることなく解説されていますね。
著者の島田裕巳さんは、以前オウム真理教
擁護する姿勢を取っていて、その結果思いっきり
叩かれたことがありますからね‥
その事が本人は身にしみているのでしょうね、
結果、中立的な内容になっています。

  • 教祖の死によって分裂するなど、新宗教って似ていますね

この本で色々な新宗教の、興亡の有様を見ていると、
神がかり的な教祖の登場→信者の拡大
→教祖の死に伴って後継者争いが発生し、分裂
といった流れの宗教史は、
どの宗教とも似ているかな、という感じですね‥(^^;)
教祖の子供がカリスマ性・宗教性に優れていない場合は、
教祖の弟子が独立するケースが多いようです。
大きな違いとしては、戦前に誕生した
「大本」などは、国家による弾圧などを経験して、
その宗教史は、苦難の道をたどっています。
しかし、戦後に誕生した宗教は、
戦後の日本国憲法における「宗教の自由」に守られて、
比較的順調に勢力を伸ばしている、といった感じですね。
まぁ、「創価学会」は、教祖(的存在)である
池田大作氏がいまだ健在であるように、
今はまだ「教祖死後の分裂期」には至っていないところも、
勢力を伸ばしている原因かとは思いますが‥

その他、有名なPL教団の花火大会は、
ただの夏祭りではなく、
実はPL教団の宗教的な儀式である、といった
今まで知らなかったようなことも書かれています。
興味深く読むことが出来ましたね。
また、「創価学会」は、「学会」と名がつくとおり、
もともとは教育団体としてはじまったそうですね。
創価学会の団結力が凄いのは、
そんなところも原因のようですね。
このような感じで、いわゆる「新興宗教」の
手軽に読める宗教史のような形に、仕上がっています。
創価学会そして公明党の政治活動や、
高校野球におけるPL学園の活躍など、
新興宗教は、信者ではなくても、
色々と関わって来ることが多いですよね。
これら「怪しげな新興宗教」についても、基本的な知識等は、
頭の中に入れておいても良いのかな、と思います。