「最後の授業 ぼくの命があるうちに」(はてな年間100冊読書クラブ 73/100)

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

最後の授業 DVD付き版 ぼくの命があるうちに

  • ガンで余命半年と宣告された著者が、死ぬまでに何をなしたか‥

著者はアメリカの大学教授であり、
バーチャルリアリティの権威とのことです。
その著者が、癌に侵されていたことが判明し、
「余命3ヶ月から半年」と宣告されてしまいます。
その死の宣告をされて以降、
著者が残り短い人生と向き合い、
「あと少ししか生きられない中で、今何をすべきか」
真摯に考え、そして行動に移した様子を
記録したものが、この本の内容となっています。
著者の集大成とも言える内容である、最後の授業
「子供のころからの夢を本当に実現するために」は、
大学の受講生向けではなく、むしろ著者自身の
子供達に対するメッセージとなっていますね。
そして、自分を支えてくれた周りの人達への
感謝のメッセージともなっています。

  • 著者の関心は、専ら子供に向けられています

著者の関心は、自分の専門分野である
バーチャルリアリティの研究の行方等ではなく、
「自分の子供達に、何が出来るか、
何を残しておくべきか」に向けられていますね。
私はまだ独身なので、家族を持ったことは無いのですが、
家族を持つようになると、自らの関心は
子供や配偶者に強く向けられるようになるのですね。
著者の行動を見て、強く実感しました。
確かに、自分の生きる時間はもはや限られており
子供たちの成長の様子を、
今後はもう見守っていくことが出来ません。
自分の血を分けた、いわば分身でもある子供の行方は
親として一番気になるものなのですね。
親にとって、子供という存在は
それだけ大切なものなのだな、と思いました。
私の両親にとっても、私のことは
それだけ大切な存在となっているのでしょうか‥
やっぱ「親の心、子知らず」なのでしょうね。
親の子に対する気持ちは、自分が親にならないと
理解出来ないとも言われていますけど‥

  • 常にポジティブ、前向きに‥

そのような「死の宣告」をされた状況下で、
著者はとても前向きに心を保っていますね。
死の宣告をされてしまったら、普通であれば
ふさぎ込んだりしてしまいそうなものなのですが‥
また、上述の通り、著者には
「子供たちのために残しておくものがある」
という強い思いがありました。
「落ち込んだりしてはいられない、
残り限られた命、1秒でもムダには出来ない」
という心境だったのでしょうね。
それ以外の点でも、著者は凄く前向き、
いわゆるポジティブシンキングですね。
例えば、立ち塞がる様々な障害に対しても、
前向きに取り組み、著者は幼い頃に抱いた夢を
色々と実現させています。
また、死の宣告を受けた以降も、
死後の世界とかに思いを馳せるのではなく、
生に執着を見せていますね。
(例えば、店員が間違えたお釣りを
正しく貰うための交渉をするよりは、
残り限られた時間を大切にするほうを選ぶ、など)
障害が立ち塞がったりすると、
どうしてもネガティブに考えてしまいがちな
私にとっては、見習ってみたい、という感じでしたね。