「アメーバ経営」(はてな年間100冊読書クラブ 72/100)

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

京セラ・稲盛和夫名誉会長の持論の一つが
この本のタイトルにもなっている、「アメーバ経営」ですね。
アメーバ経営」とはどういうことなのか、
名前だけでは全然ピンと来ないですね。
一見、革新的な仕組みのように思われますが(^^;)
実際のところは、いわゆる「部門別採算制度」のことですね。
色々な会社で、「事業部制度」や「カンパニー制」といった
似たような制度が採られていることと思います。
「アメーバ」というのは、玩具のスライムのような
(懐かしいですね‥年がバレそうですね‥(^^;)
形を自由自在に変化させる生物です。
その「アメーバ」のように、環境の変化に応じて
変化・進化する組織が「アメーバ経営」とのことです。

  • 担当者に採算意識を植え付けることが目的

アメーバ経営」の基となる「部門別採算制度」は
事業部制度」を更に細かい単位に区切ったものですね。
細かい単位に区切ることにより、
各部門の担当者に採算意識・経理意識を
持って貰うことを目的としているようです。
確かに、私の勤めている会社でもそうなのですが、
製造部門の責任者のおっちゃんとか(笑)
無骨で頑固一徹という感じで、
「俺は良いモノを作るんだ」という意識はあるものの、
コスト面に関することなど
全くチンプンカンプンなことが多いですよね。
社内取引制度を通じて、実際に売上に関わる
営業部門だけではなく、製造部門などの担当者にも
市場に対応したコストや品質の認識を
することが出来るようになるそうです。

  • 少し業務が煩雑になりすぎる気もします‥

ただ、この本を読んでいて、あまりに細分化することにより、
「部門別(=アメーバ間)」の値決めなど、
細かい作業が増えすぎているのではないか、
という印象も持ちました。確かに担当者に採算意識を
持たせることは必要ではないかと思うのですが、
少しやり過ぎではないか、とも思います。
色々な部門を細分化して、各部門の成果を
「付加価値」として算出する仕組みを作ることなど、
この仕組みを運用・維持していくのに、
かなりコストがかかっているのではないかな‥と。
もっとも、この本にもありますが、
「経営には哲学が欠かせない」とのことです。
アメーバ経営」が著者・稲盛氏の経営哲学であり、
その哲学を経営者である著者が強力に推進し、
その結果として従業員に納得させることが出来れば、
仕組みは上手く回っていくのでしょうね。