「生き方 人間として一番大切なこと」(はてな年間100冊読書クラブ 53/100)

生き方―人間として一番大切なこと

生き方―人間として一番大切なこと

  • 人間としての生き方を、再考させられました‥

京セラの稲盛和夫・現名誉会長の書かれた
「生き方論」の本ですね。
経済人が書かれた自伝のような本では、
普通は、サラリーマンとしてのあり方や、
仕事に対する考え方に対する気づきが多かったりします。
しかしこの本では、読み進めるに連れて、
人間としての生き方・あり方を
改めて再考させられるような、
そんな内容に仕上がっています。
この本は、「思いを実現させる」・「原理原則から考える」
「心を磨き高める」・「利他の心で生きる」・
「宇宙の流れと調和する」
以上の五つの章から成っていますね。
上記の章を見ても、ビジネス本というよりは
心理学や哲学系の内容って感じがしますよね‥(^^;)

  • 金儲け一辺倒ではなく、利益は社会に還元する¥

著者は経済人として成功を収めています。
しかし、金儲け一辺倒ではなく、
「社会に役立つ」という信念を持って
「ど真剣に」仕事に取り組んでいます。
そして儲けた利益を社会還元するなど、
人間として出来上がった、非常に素晴らしい姿勢ですね。
「忘己利他」(自分のことは忘れて、他人に役に立つことをする)
という精神を大事にしておられるそうです。
この本を、「忘他利己」の代表のような
ホリエモンこと堀江貴文氏や村上ファンド村上世彰代表、
グッドウィルグループ折口雅博氏あたりに、
是非読んでもらいたいって感じがしました‥(笑)

  • 宗教めいた内容もありますが‥

この「忘己利他」は、天台宗の精神だそうですが、
本書は全体的にどことなく宗教チックな感も窺えます。
事実稲盛さんは仏門に入っていますし、
隠れ念仏」や「六波羅蜜」といった内容も出てきますね。
ただ、胡散臭いとか押し付けがましいといったことは全然無く、
すんなりと読み進めていくことが出来ます。
また、最近の日本人が忘れてしまったといわれている、
美しい心の持ち方が大事である、
というのは納得させられました。
この本を読んで、「当たり前のこと」だとは思えず、
「稲盛さんは凄いな」と思ってしまいましたから。
私も、この本に書かれているような、
美しい心の持ち方を忘れてしまっていたんだなぁ‥と。
まぁ、元々持ち合わせていなかったのかもしれませんが(笑)

  • 自分も「有徳」を目指していきたいですね

また、日本は「富国有徳」を目指すべきであると
書かれていましたけど、「富国」はともかく
「有徳」は、個人的にも目指したいところですね。
私も、「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉が
すんなりと出てくるような、そんな人になりたいな、
と思ったりしました。最近、物騒な事件が起きたり、
また世知辛くなったりしていて、
有徳はますます遠くなっているような傾向にあります。
しかし、この本を読んでいて、
「人として、魂や心を高めること」の重要さを
改めて実感した思いでした。
そういえば、学校では時間割に「道徳」の
時間こそありましたけど、運動会の練習等に
臨機応変に差し替えられてしまい(笑)
道徳の授業を受けた回数というのは、
あまり多くなかったなぁ‥と思ったりしました。
こんな時代だからこそ、「心の成長」を目標にして、
道徳教育に取り組むべきではないでしょうか。