「ワーキングプア 解決への道」(はてな年間100冊読書クラブ 49/100)

ワーキングプア 解決への道

ワーキングプア 解決への道

NHKスペシャルの「ワーキングプア」は
実際のワーキングプア層に焦点をあてたルポルタージュとして、
少し前に(もうかなり前でしょうか)話題になりましたね。
その番組に基づいた本になります。
この本は「ワーキングプア・海外編」という感じで、
アメリカや韓国の実例を取り上げていますね。
日本よりも格差社会が進んでいるアメリカでも、
ワーキングプアのような現象は存在しており、
古いキャンピングカー(古いので、車としては動かない)で
暮らしている人達がいるそうです。
韓国では、数年前の経済危機を経て、
採用(人件費)抑制と就職難傾向が強まり
日本のネットカフェ難民のような
生活をしている人達がいるようですね。
中国のような、人件費の安い国との競争に勝つためには、
人件費の抑制を図らなければならず、
企業は派遣社員、さらには日雇い派遣のような形で
人件費の削減に成功しました。
しかしその結果として、ワーキングプアのような
「健康で文化的な、最低限度の生活」が送れないような
低収入層が出現してしまっている、という状況は
主に資本主義社会では、世界共通のようですね。

  • 金銭的にはもちろん、精神的な支援も必要‥

一方では、ワーキングプア層への対策が進んでいる例として
イギリスの例が取り上げられたりもしています。
日本でも、北海道の釧路市では、田舎で雇用も限られている中で
ワーキングプア層への金銭的&心理的な支援が
行われている様子が描かれています。
金銭的な支援は勿論ですが、相談員が相談に乗るなどの
精神的な支援というものも必要ですよね。
ワーキングプア層は、家族仲が悪かったり、
はたまた親に虐待されたりして、
家に戻れないような人々も多いです。
彼らは、金銭的にも心理的にも、頼る術が無いような
状況に置かれてしまっていますからね‥
日本では、安倍晋三前首相時代に、
「再チャレンジ」が話題になりましたけど、
競争社会・格差社会が進んでいるアメリカでは、
医療保険などのセーフティネットが乏しく、
負け組が這い上がるチャンスは事実上無いそうですね。
お金が無いので医者にもかかれない状況だそうです。
日本は、このようなアメリカ的な社会を目指すのではなく、
セーフティネットをもっと整えていくべきでしょうね。