「世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略」(はてな年間100冊読書クラブ 31/100)

世界の小国――ミニ国家の生き残り戦略 (講談社選書メチエ)

世界の小国――ミニ国家の生き残り戦略 (講談社選書メチエ)

  • 小国は一票を、大国は援助をエサにして‥

いわゆる小国、ミニ国家について記した本ですね。
小国といえば、最近では、「地球温暖化の影響による
海面上昇で真っ先に沈む国」として
南太平洋のツバルが話題になっていますね(^^;)
これらの小国は、人口が少なく、
経済的にも一部の国を除いて発展しておらず、
国として世界に及ぼす影響は大きくありません。
しかし、日本やアメリカなどの大国も
これらの小国も、一つの国であり、
国家としての権利は皆同じです。
従って、最近は色々な会議体において
これらの小国の票集めを狙って、
「資金援助」などの名目のもとに、
賄賂合戦が繰り広げられているようですね‥(^^;)
例えば、中国と台湾の勢力争いが
南太平洋の国で繰り広げられていたりしているようです。
この二カ国は、援助をエサにして、
自国と国交を樹立させようとしているようです。
また日本も、捕鯨賛成の票を当てこんで
これらの小国や、はたまた捕鯨に関係の無い
内陸の国に働きかけているようですね。
大国は援助をエサに小国の票をあてにして、
一方小国は票をエサに大国の援助をあてにする‥
まぁどっちもどっち、持ちつ持たれつのような
関係という感じでしょうか。

  • 小国の運営は、基本的には苦戦を強いられて‥

これらの小国は、人口が少なく
産業の発展という面では限界があります。
従って、国家の基盤としては、
例えば島国であれば「漁業権の販売」や「観光」、
また、天然資源のある国であれば、
「資源の輸出」などによって
なんとか国を維持している、というのが現状のようですね。
あと、タックスヘイブンで有名な
ケイマン諸島」についても、
まさに小国が編み出した知恵の産物、という感じですね。
一部の国を除けば、多くの小国では
そのような綱渡り的な運営を強いられているようです。
その一部の国にあてはまるルクセンブルクでは、
欧州の大国を上回る高いGNPを
記録したりしているようです。
しかし一方で、同じ欧州に位置する小国・モナコでは
隣国の大国・フランスの影響が
避けられなかったりしています。
例えば、モナコタックスヘイブン制度は
フランスの横槍によって、廃止を余儀なくされたりとか‥
最近ではチベット民族が中国からの独立を求めていて、
その影響で北京五輪聖火リレー
殺伐なものになったりしていたりしています。
また、東欧のコソボでは、
念願の独立が果たされりしています。
しかし、あまりに規模が小さかったりすると、
独立後の国家の運営については、
なかなか難しい舵取りが強いられる、という感じですね。