「ぼくの手はきみのために」(はてな年間100冊読書クラブ 23/100)
- 作者: 市川拓司,木内達朗
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: 単行本
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- 「自分達の世界に籠もる」登場人物に共感が難しく‥
「いま、会いにゆきます」でおなじみの著者
市川拓司さんの作品ですね。
市川さんといえば、映画化もされた
「恋愛写真」がなかなか良かったので、
この本も期待していたのですが、
その期待ほどではなかったかな、という感じですね。
「お互い寄り沿って生きる二人」というのが
この本に収録されている、3本のストーリーに
共通するテーマのようです。
しかし、「二人だけで、世間から離れて
自分達の世界に籠もって生きていく」という展開は
度のストーリーにも共通しており、
その「自分達の世界・世界観」に対して、
私が共感を抱くには、少し難しいかな、
という感じを受けました。登場人物に共感を抱けないと、
小説を読んでいても、のめりこむことが出来ないですね‥
- 全ての作品が傑作とは言えないですね‥
また、病気をテーマにしているストーリーで、
その病気が「治療法が解らない難病」
としか説明されていなかったりしています。
少し前に大ヒットした「世界の中心で、愛をさけぶ」では、
ヒロインが白血病に侵され、髪が抜けるなどの
シーンを描くことによって、ヒロインに対する思い入れが
より強くなった、ということもあるかと思います。
この本は、テーマにこだわりすぎて、
展開がワンパターンになってしまったなぁ、
というのが正直な感想でした。
「恋愛写真」「いま、会いにゆきます」は良かったのですが、
同じ作者でも、全ての作品が素晴らしいかとなると
そういう訳にはいかないですね‥(^^;)