「マリア様がみてる フレーム オブ マインド」(はてな年間100冊読書クラブ 11/100)
マリア様がみてる 28 フレームオブマインド (コバルト文庫)
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 文庫
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- 「マリみて」の短編集は、基本的には本編と関連は無く
本作は本編ではなく、雑誌「Cobalt」に掲載された
短編集の収録が基本になっていますね。
短編集は本編に登場するキャラはあまり登場せず、
本編キャラのファンにとっては、物足りない感もあります。
しかし、世界観は共通なだけに、
「マリみて」の舞台となっているリリアン女学園の
学園風景の1コマとして、楽しむ事が出来ますね。
もっとも、今までの短編集の収録と同じく、
ただ単に短編の収録をするのではなく、
「落し物のフィルムの持ち主を探す」という
ストーリー「フレームオブマインド」が
合間に挟まれていますね。
- ただ今回は、珍しく新作書下ろしも含まれていて
まぁ、Cobaltで既に読了済みな作品が多かったのですが、
先代黄薔薇さまの鳥居江利子さまと
現薔薇さまの支倉令さまの出会いを描いた
ストーリー「黄色い糸」は、本書の書下ろしですね。
収録されている短編は、Cobalt掲載済みの
上記のような本編キャラは基本的に登場しない
「番外編」だけかと思っていたので、
「あれ、本編キャラが主役だし、
こんなお話読んだ記憶は無いなぁ‥?」と思いながら
最後まで読み進めていきました。
本編キャラが登場するサイドストーリーを追加したのは、
作者からの本編ファンの読者へのサービス、
といった位置付けでしょうか。
また、江利子さま達先代薔薇さま方は
現在では本編からすっかりご無沙汰して
しまっていることもあり、なんだか懐かしかったです‥(笑)
特に黄薔薇ファンにお薦め、って感じでしたね。
- バッドエンドなストーリーも‥むしろその方が印象に残って‥
さて、短編集の感想としては、
やっぱ「不器用姫」が印象に残っています。
暫く会っていなかった年下の幼馴染と
高校で再会した主人公は、
昔と同じように彼女を守ってあげようとします。
しかし、その幼馴染にとっては、主人公の存在は
昔の嫌な思い出を思い起こさせるものであった‥
という感じで、ゲーム的にはバッドエンドで
終わってしまうストーリーなんですよね。
その終わり方が衝撃的で、インパクトがありました。
主人公はその幼馴染から、いわばこっ酷くフラれてしまった、
という感じですからね‥(^^;)
その他のストーリーとしては、
「古い温室には妖精が住んでいる」
という噂話から始まる「温室の妖精」
(この古い温室は、紅薔薇の小笠原祥子さまと
福沢祐巳ちゃんの姉妹にとっては、縁の深い場所でも
ありますよね)はファンタジックなストーリーって感じでしたね。
- 嫌われるタイプを主人公に据えたケースも‥
また、「不器用姫」と同じく、
読後の後味はあまり良くないのですが(^^;)
お姉さまを次々と乗り換えていく主人公・立浪繭を描いた
「三つ葉のクローバー」も印象に残っています。
この主人公は、既に妹持ちのお姉さまにアタックをかけていき
その中には最終的に破局してしまう姉妹もいることから
主人公は「姉妹クラッシャー」などと呼ばれたりしています。
本編ではちょっと出せないような(^^;)
位置付けのキャラですよね。
こんなキャラを出せば、憎まれること間違いなし
って感じですから‥(^^;)もっとも彼女は、
単に他の姉妹の仲を壊そうとしていた訳ではなく、
今まで普通の女の子であった福沢祐巳ちゃんが、
紅薔薇さま・小笠原祥子さまの妹になったことにより
大きく変化していったところを目の当たりにして、
祥子さまのような、「自分を変えてくれるお姉さま」を
探していたことが、アタックをかけていた原因なのですが‥